apple siliconのffmpegでh265 (hevc)にハードウェアエンコードしてQuicktime Player.appで再生するまで

準備

zsh

デフォルトで入ってると思う

%echo $SHELL
/bin/zsh

commnadline tool導入

xcode-select --install

ここからdmgを落としてもOKらしい developer.apple.com

homebrew導入

/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/master/install.sh)"

docs.brew.sh

% brew -v
Homebrew 4.0.9

ffmpeg導入

brew install ffmpeg

どうもデフォでapple siliconを判別してハードウェアエンコード用ツールがついてくるらしい
ありがたい… formulae.brew.sh

% ffmpeg -version
ffmpeg version 5.1.2 Copyright (c) 2000-2022 the FFmpeg developers
built with Apple clang version 14.0.0 (clang-1400.0.29.202)

入力ファイルの確認

ffproveで中身を見る

% ffprove input.mp4

このときStream: Video:の先にyuv420p表記があればまず問題ない もしyuv422pとかだったら次の段階で-pix_fmt yuv420pをつける videotech.densan-labs.net

出力ファイルの設定

 ffmpeg -i input.mp4 -c:v hevc_videotoolbox -tag:v hvc1 output.mp4

注意点

  • h265_videotoolboxではない,hevc_videotoolbox
    • 古い記事でたまにそう書いてあるものがあるかもしれん
    • ちなみにh264_videotoolboxは存在する,なぜなのか
    • 厳密にh265/hevcはそれぞれ同じ(規格の掲載元がituかisoかの違い)じゃなかったっけ?だったらそっちもh264/avcに揃えたら?などと思ったが後方互換を考えると地獄かもしれない,いやじゃあなんでh265からhevcに変えたんだよと尚更ツッコミたくなる
  • -tag:v hvc1をつけないとApple系Appでは再生できない
    • 中身が同じもダメ
    • Quicktime Player.appだけではなく写真.appもダメっぽい luxion.jp

Finderのプレビューも

たぶんQuicktime Player.appと同じバイナリを使ってるのか

yuv220pのワーニングについて

おそらくはエンコード開始の直前に下記のメッセージが出る

Color range not set for yuv420p. Using MPEG range.

詳細は不明,-pix_fmt yuv420pをつけても出るので知らん

M1 Maxのハードウェアエンコードが強い理由

やってみたらx265ライブラリ(CPU処理)より10倍ほど爆速だった,使用しない理由がない
そしてM1 にはメディアエンジンがなく,もしくはM1 Proにはメディアエンジンこそあるものの,M1 maxはメディアエンジンをその2倍の規模で搭載している
Apple siliconにおけるメディア(ビデオ)エンコードはもうCPUやGPUだけでは差がつかない www.itmedia.co.jp ちなみにM2にはM1と違ってメディアエンジンがある,しかしM2 ProはM2と同じ規模だし,M2 Maxになってようやく2倍になる(これはM1シリーズと同じ) www.itmedia.co.jp www.itmedia.co.jp そう考えると価格崩壊し始めたApple認定整備済品M1 Maxはマジでお得でしかない,買え

結局のところ,「喉を開く」とは何か?

soluna-eureka-a.hatenablog.jp

soluna-eureka-a.hatenablog.jp

の続き的な感じである

声を構成する2つの要素

最近では,「声帯の使い方」と「喉頭の使い方」の2つに絞られる,と考えるようになった.
そして特定の環境・条件においては,声帯の使い方を拡張するために喉頭の使い方に制約が課される,といった条件が発生するのではないか?と思うようにもなってきた.

今回はその2つの間で成立する制約について,自分なりに整理した点を書き残しておく.

結論,「舌骨を下げれば良い」

なぜ「喉が閉まる」と辛いのか?

喉が閉まるということについて,端的に言えば気道が潰されることで息の通りが悪くなる,という解釈を昔からしていた.その後になって,喉頭の空間が狭くなることで響きが悪くなる,という解釈もまた存在するということを知ったのだが,さらにそこから年月が経ち,そして今回のように「声帯の使い方」と「喉頭の使い方」の2つの関係性という観点に帰着した.

輪状軟骨に着目する

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承前の通りに,輪状軟骨と甲状軟骨が稼働することによって,声帯のテンションを物理的に高めながらも厚みを減らせるわけである.これは人が声の音程を調整する上で無意識に動作していることであって,その領域を意識的に拡張していくことが歌唱の基礎である,というように私は考えている.
しかし甲状軟骨が前転するだけならばともかく,場合によっては輪状軟骨が後転することがある.

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そして輪状軟骨は気管と靭帯で直結しており,すなわち輪状軟骨が後転すると気管まで引っ張り上げられることがわかる.

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funatoya.com

ではなぜそうなるのか?それは

  • 輪状軟骨は随意的・選択的に固定できないこと
  • 接続する甲状軟骨の可動域に制限があること

という事実から帰着して得られるだろう.

輪状軟骨は固定できない

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funatoya.com

輪状軟骨に接続する筋肉といえば,声帯にテンションを与えることでおなじみ輪状甲状筋があるが,下咽頭収縮筋の一部も存在している.そしてこれは食道をも全て巻き込んで収縮する筋肉であり,すなわち誤嚥に対して嘔吐を反射的に実行する際に担う器官であると推測できる.
こんなものは随意的・選択的に動かせないし,動かせるもんならそれは嘔吐する時である.私自身もまた先の記事で

そのまま裏声を出していくと,hihiCあたりで喉頭に痛みが発生し音域が上に伸びなくなる.

と述べたが,これを無視して続行すると嘔吐反射が勝手に起きることを私自身も経験しており,輪状軟骨の可動域に限界があるということが窺える.今後,このように可動域の限界に近づく現象を「喉が閉まる」と呼称し,逆に限界から余裕がある方向を「喉が開く」と呼称したい.

即ち,どうすれば輪状軟骨の位置に余裕を持たせられる(喉を開ける)か,ということが歌唱の技術に含まれると考えられる.

甲状軟骨の可動域を探る

輪状軟骨と甲状軟骨の接続を説明した先の図においては,甲状軟骨・披裂軟骨と舌骨・喉頭蓋との接続も説明できる.

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なるほど,喉頭蓋から声帯までの区間は膜によって覆われるほか,その外側にある甲状軟骨と舌骨が靭帯によって接続されて,そして舌骨と喉頭蓋もまた靭帯で接続されていることがわかるだろう.これはつまり

  • 喉頭蓋と舌骨は一蓮托生
  • 甲状軟骨の位置は舌骨に依存

ということに他ならず,ここから

  • 甲状軟骨の可動域は舌骨に依存
  • 舌骨を下げると喉頭蓋も下がる
  • (被裂軟骨は上下にはあまり動かないだろうから無視して良さそう)

ことが推測されるだろう.

ではどうすればいいか?

つまり,舌骨を随意的に下げられれば,上記の問題は解決するのである.
舌骨を下げたまま甲状軟骨を下げて声帯のテンションを伸ばし,そのまま声を出せば良いだけなのだ.

「響きの向上」は副次的な効果

確かに喉頭蓋が上がると喉頭の空間が狭くなることで響きが悪くなる以上は,喉頭蓋を下げることで喉頭の空間を広げることもまた歌唱の技術である,といった解釈も正しいだろう.
しかし私の個人的な観点としては,それは声帯のテンションを上げようとする過程で得られる副次的な効果にすぎないのだろうという感覚である.むしろ人間が声色を判定する高次のフォルマント成分について考えれば,いかにして喉頭蓋から上のエリアで響きを改善できるか,が主題となるべきなのだ(ここではあまり扱わないが).

本当の問題は,これだけ舌骨と喉頭蓋を下げた状態で,本当に発音のフォルマントを維持できるかどうかにかかっている.こればかりはもう訓練するしかなく,私自身も当初は全く声にならなかったせいで,おっかなびっくり練習したような記憶がある.

なぜ発音が難しいのか

端的に言えば,舌骨に付随する筋肉や靭帯が多く,顎や頬といった発音に関わる器官への影響が無視できないためである.

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funatoya.com

そもそも喉頭の条件が変わる以上,どうすれば認識できる発音になるかも(感覚的には)手探りで練習する必要があり,加えてその発音を実現するために無理をすれば靭帯どころか関節や骨が壊れることは想像に容易い.
上手くトレーニングできればきれいな発音を音域を両立できるのかもしれないが,最終的にはこれもまた才能やセンスであり,

  • 関節の位置
  • 靭帯の位置
  • 骨の形状
  • 筋力

の4拍子が揃わない限り難しい限りである.

無理はするな

ちょっと喉を開くことでちょっと音域が伸びる,本来はそんなもんでいいという話であって,誰しもがhiCを超えるハイトーンを出す必要はない.ここで痛めるくらいならそれより声帯をまず鍛えよう.

撮影効果だけでなんとかしろ!

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www.pixiv.net

序論

基本的には線画だけ描きたいし色を全て手で塗り潰す暇はない,しかし色がないとやはり立体的な出来栄えはわからない
なのでベタ塗りに撮影効果をつける(マスクしてグラデーションとぼかしをかける)だけでどこまで向上するかを試してみたよ

浴室のメイキング

単純彩色のみ

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物体影を設定

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環境影を設定

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環境光を設定

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物体光を設定

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カメラ効果付

f:id:Soluna_Eureka:20211117011351p:plain

ドア+小物のメイキング

単純彩色のみ

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物体影を設定

f:id:Soluna_Eureka:20211117011928p:plain

環境影を設定

※左右で分けた f:id:Soluna_Eureka:20211117011944p:plain

環境光を設定

※縦方向と横方向で分けた f:id:Soluna_Eureka:20211117012035p:plain

物体光を設定

f:id:Soluna_Eureka:20211117012151p:plain

カメラ効果付

f:id:Soluna_Eureka:20211117012210p:plain

バスタオルのメイキング

※差分なんでドア+小物と被ってるかも

単純彩色のみ

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物体影を設定

f:id:Soluna_Eureka:20211117012546p:plain

環境影を設定

f:id:Soluna_Eureka:20211117012604p:plain

カメラ効果付

※まとめて撮影 f:id:Soluna_Eureka:20211117012621p:plain

人体

※局部さえ写さなければセーフか?

単純彩色のみ

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物体影・血肉色

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環境光・環境影

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物体光・反射等

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カメラ効果付

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ハンドタオル

f:id:Soluna_Eureka:20211117013754p:plain だいたいこんな感じ
※このあとカメラ効果を人体と一緒にかける(差分用なので)

感想

  • バスタオルの光効果を完全に忘れていた
    • この記事をまとめている時に気がついた
  • グラデーションはマッピングを相応に調整する必要がある
    • 対象の曲面の形状によって細かく変化させるべき
    • なるべくオブジェクト全体にかけれる対応をする
      • 光効果だと0%境界が露骨に見える場合があるかも…
  • 人体の血肉の色付けはもっとオーバーに表現しても良い?
    • 渋を見る限りそういうイラストがウケてそうな気がする
    • ぶっちゃけ線はもっと細くていいかもしれんよね
      • 筋肉形状とかそういう部分の線
      • イラスト感を高めたければ尚更
  • 女の局部が上手く描けないんじゃ
    • 構造が難しすぎる
      • 男は単純なのに
    • 描けたとしてそのまま見せれる場所もない

映像系まとめ

完成するのかなコレ…

基本的な考え方

※勝手な推察も多分に含まれてます
※完全にデジタル処理が大前提です

イメージセンサについて

用語集

  • フォトダイオード
    • 光を当てると電荷が移動する(光電効果を持つ)素子
      • pn接合されたダイオードなのでそう呼ばれる
      • 入射した光がバンドギャップより大きいエネルギーを持つ場合,価電子帯にあった電子が飛び出して正孔が生成され,電子はn層・正孔はp層にそれぞれ集められ電荷として機能し始める(光電効果
    • 発生する電荷の量(=出力,電流)は入射する光子の量(=入力,光量)に比例する
    • 大抵はシリコンに不純物を混ぜて作られるが,2族〜6族の原子を組み合わせて作るものもある
      • シリコンは波長に応じて光を吸収し,すなわち波長によって出力が異なる
      • また不純物の種類や量によっては,対応できる波長やその特性が変化する
      • これ以上は量子論とかそこら辺の話になるらしいので追求しません,というよりはディスプレイを用いて加法混色で映像を再現するのが最終的な目的だと思います,イメージセンサのメーカーさんなら何らかの基準によって定められるRGB信号を算出する手法などを仕込んでそうですね…
    • 厚さを考えたら薄膜と言ってもいい
  • 有機光電変換薄膜
    • 従来のフォトダイオードよりも(光電変換部分に限って言えば)薄い
      • さらに感度や色分解能も向上している
    • 特定の波長の光をよく吸収する有機分子は,エネルギーとして自分の電子を励起させて電荷を発生させる
      • これを有機光電変換と呼び,次世代太陽電池である有機薄膜太陽電池での電子供与体でもある
      • 電子受容体と隣り合わせにしてやると電位が発生して電池になるが…
      • 有機分子の構造レパートリーが豊富なのでこの辺りの研究は非常に盛んだが,波長の関係で供与体はある程度に定まる…?
    • さらに薄膜に非常に高いバイアス電圧をかけることで,最終的に移動する電荷の量を増倍させられる
      • これをアヴァランシェ・ブレークダウンと呼び,感度の向上が期待できる理由となる
      • 空気中にプラズマが発生するのも似たような電子雪崩のおかげ,うーん面白いね
      • 実際はいかに良い特性でこれを促せるかがセンサそのものの品質に関わる,暗電流も起こりかねないので…
  • CCD
    • 和訳「電荷結合素子」
    • MOSキャパシタを結合して横に並べているからそう呼ばれる
      • これによって電荷のバケツリレーが行える
  • CCDイメージセンサ
    • CCDを利用したイメージセンサ
    • カメラで「CCD」と呼称すればこれを指す?が,「CCDイメージセンサ」と呼称する
  • CMOS
    • pMOSとnMOSを1つずつ使って出力を入力に対して相補的にする,という特徴をどこかに持つ回路の総称
    • あくまで総称であり,種々の論理回路などがCMOSを元に作成される
      • しかし例えばロジックICだとNANDとNORを組み合わせるのがメインになる…?
  • CMOSイメージセンサ
    • COMSの特徴を持つイメージセンサ
    • カメラで「CMOS」と呼称すればこれを指す?が,「CMOSイメージセンサ」と呼称する
  • 有機CMOSイメージセンサ
  • MOSFET
    • トランジスタの一種
    • 「バイポーラ」「電界効果」のうちの「電界効果」タイプ
      • の中で更に「ゲートが絶縁されている」タイプ
    • 論理回路を作る上で最も重要な素子ではないか?
    • 高周波で動作できて駆動電流も小さいが大電流化には不向き
  • SN比
    • シグナル÷ノイズ
    • 高ければ高いほど高性能,マイクとかそうだもんね

フォトダイオードの説明 https://www.hamamatsu.com/resources/pdf/ssd/01_handbook.pdf https://www.hamamatsu.com/resources/pdf/ssd/02_handbook.pdf https://www.hamamatsu.com/resources/pdf/ssd/03_handbook.pdf (基盤一体化タイプがあるらしい) https://www.hamamatsu.com/resources/pdf/ssd/04_handbook.pdf

一般的なイメージセンサの説明 https://www.hamamatsu.com/resources/pdf/ssd/05_handbook.pdf

非Si系受光素子の説明 https://www.hamamatsu.com/resources/pdf/ssd/06_handbook.pdf

いずれも参考元,浜松ホトニクス株式会社のハンドブック資料
これはなんと11番まであるらしい…

Panasonic富士フィルムの勇姿 news.panasonic.com 有機CMOSセンサーについて https://www.panasonic.com/jp/corporate/technology-design/ptj/pdf/v6301/p0107.pdf

CCDイメージセンサとは

縦方向にセルが並んだ転送用CCDに隣接する形でフォトダイオードが配置され, それが横方向に並んで2次元のプレーンを形成している.

  1. フォトダイオードキャパシタと転送用CCDの間のゲートを閉じる
  2. フォトダイオードに撮影光を当て,その強度に応じた電荷を発生させ,キャパシタに蓄積させる
  3. キャパシタと転送用CCDの間のゲートを開き,電荷流入させたら,直ちにそのゲートを閉じる
  4. 転送用CCD上で最上辺の電荷を上方向に押し出し,サンプル回路に接続する
  5. サンプル回路は電荷を測定し電圧に変換して出力する
  6. 空いた最上辺のセルに1つ下のセルの電荷を押し出し,さらに空いたセルに1つ下のセルの電荷を押し出し…以下略
  7. 上2つを繰り返し,転送用CCD上の全てのセルから電荷が取り出せたら終わり
  8. 回路上の電荷を全てリリースした後,待機状態へ

1段階の読み出しにかかる所要時間が走査線(後述)1行程の所要時間に相当し, 全ての読み出しにかかる時間がフレーム(後述)1行程の所要時間に相当する.
実際の基盤ではフォトダイオードそのものが容量を持つので,キャパシタとしても動作すると考えて良さそう…?

特徴

  • 全てのセルにおいて露光が同時に終わる
    • 基盤への漏れ電流はあるのか?フォトダイオード→転送用CCD→サンプル回路で電荷が完全に移動すると考えて良いのか?
    • サンプル回路はアンプ関係で漏れ電流がありそうだけど,それは露光には関係しないのでちょっとの遅延はセーフ?
  • 転送用CCDがもたらす特有のノイズがある
    • スミア:転送用CCDに当たってしまった光がそこに電荷を発生させ,それを出力だと誤認してしまうケース
      • 極端に強い光を撮影したりするとそうなる,確かにあえてそういうエフェクトを入れたい時もあるが
      • どんな風に映るのかはやってみなきゃわからんが,大抵は転送用CCDの方向で白飛びする
      • 当然だが物理シャッターなら軽減が可能になる,写真ならこれでいける
      • フォトダイオードの転送用CCDの間にストレージを設置し,電位の操作を用いて余分に発生した電子を逃がすことで,電子シャッターが実現できる,連続して撮影を行う必要がある動画にはそもそもの必須技術である
    • ブルーミング:フォトダイオードが想定を超える量の電荷を発生させ,回路に溢れたり出力として扱い切れなくなるケース
      • 大体スミアと似たようなことが起きる
      • また同様にストレージの設置によって回路への悪影響が軽減できる

CCD上で電子シャッターを実装する事例 https://www.hamamatsu.com/resources/pdf/ssd/resistive_gate_ccd_kmpd9005j.pdf

CMOSイメージセンサとは

フォトダイオードCMOSを並列して設置することで,撮影光から得られた電荷を電圧に変換する機能, およびそれを制御する機能を同時に実装でき,そのセルを並べることで2次元のプレーンを形成する.
ただしトランジスタは多ければ多いほどコスパが悪くなりがちなので,複数のセルが乗り合うような工夫をする場合が多い.

  1. フォトダイオードキャパシタ,およびキャパシタとサンプル回路の間のゲートを閉じる
  2. 直後からフォトダイオードに撮影光を当て,その強度に応じた電荷を発生させ,フォトダイオードに蓄積させる
  3. キャパシタ内の余計な電荷をリリースした後,フォトダイオードキャパシタの間のゲートを開き電荷を流し込む
  4. フォトダイオードキャパシタの間のゲートを閉じた後,サンプル回路のアンプ部分にキャパシタを接続する
  5. サンプル回路が電荷を測定し電圧に変換して送信する,その裏でフォトダイオード電荷をリリースして待機状態にする
  6. キャパシタとサンプル回路の電荷をリリースして待機状態にする
  7. 全てのセルから電荷が取り出せたら終わり(セルの順番やタイミングには種類がある)

実は上記のパターンを実現する回路は4Tr(4トランジスタ)画素と呼ばれ,それぞれに以下のような役目が与えられる.

  • 電荷移動用トランジスタ
  • 増幅用トランジスタ
    • 供給される電源を利用して電荷の量を電圧に変換する
    • ここの精度が画質を決めると考えても過言ではない,超重要
  • 選択用
    • 増幅用トランジスタの出力を信号線に流すスイッチとなる
    • 選択パルスが流される
  • リセット用
    • 諸々の電荷をリリースしてリセットするためのスイッチとなる
    • リセットパルスが流される

参考 https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej/68/3/68_216/_pdf/-char/ja

電圧変換アンプの位置ついて

素子の微細化に伴いフォトダイオードによる電荷の発生量そのものも減少するため, そこから適切な電圧を得るにはサンプル回路に精度の良いアンプが必要になるが, それを設置する場所によって違いがある.

  • PPS方式
    • セルの外側に共用するアンプがある
    • 電荷を移動させるだけなので構造は単純だし消費電力は少ない
      • ただそ電荷がそもそも少ないので移動させる際の損失や誤差が無視できなくなる
    • ぶっちゃけ後者に劣る面も多いし,身近な商品にはもう採用されてなさそう
      • さっきの動作順序は後者を前提にしているしなぁ…
  • APS方式
    • それぞれのセルにアンプがある
    • こっちの方が末端で得られる精度が高い
    • キャパシタの容量も小さい方が良いし,基盤に組み込みで作れてしまう
      • ただし配線もトランジスタも量や複雑さが増えるし消費電力も高い
      • が別に致命的に高いわけではなさそう,これは間違いなく技術の進歩の賜物

照射型の違いについて

基盤を作成するときに表裏のどちらに撮影光を当てるかによって変わる.
ちなみにフォトダイオード側が裏で配線の側が表となる,シリコン基盤に不純物を入れてフォトダイオードを形成してから配線すれば,確かに配線側が表になる…

  • 表面照射型
    • 配線が邪魔をするので乱反射を引き起こし,映像にノイズが発生する
  • 裏面照射型
    • 配線が邪魔をしないので映像のノイズが減る,SN比が向上できると期待される
      • しかし形成が難しく逆にSN比が下がったこともあり,開発が断念することも…
    • しかしSONYが2008年に開発して2009年にデジカメに搭載したセンサーが世に出回った(世界初)
      • これに関する特許は2006年に取得しているので,それまでに雛形の開発は完了していた…?

SONY広報 www.sony.com 特許詳細 http://www.conceptsengine.com/patent/grant/0003759435

取り出し方式について

転送用CCDによって取り出し方式が大まかに定まるCCDイメージセンサと異なり, こちらはCMOS回路を用いてセルを選択してから出力の取得を行う.
この装置はアナログデジタル変換器(ADC)と呼称され,今現在の開発競争が熾烈を極めている(スマホの進歩が早すぎる) ほか,ADCそのものに限らずCMOSイメージセンサにおける取り出し方法としても差異が見られる.

  • 逐次型
    • 画素を1つずつ選択して走査する
      • ブラウン管と同じ
    • 別にサンプル回路の制御部が1個とは限らない
      • 動作速度を上げるために複数を同時に動かす場合もある
      • その分だけ配線は複雑になるし値段も高くなる
    • ぶっちゃけ今時のカメラにはあんまりなさそう
  • 並列型
    • 1列にADCを1個ずつ配置する
      • 走査は実質的にCCDと同じ感じになる
    • 動作速度は跳ね上がるし配線も単純になる
      • しかし制御回路の精密さが問われる
    • 一般的なデジカメは大体これ?
    • 俗称「ローリングシャッター」(後述)
  • グローバル型
    • 全てのセルを同時に露光させて同時に読み出す
      • ぶっちゃけCCDの完全上位互換とまで言えそう
      • セルの裏や素子の他のエリアにDRAMを仕込む必要がある
    • ADCの機構を全てのセルに実装して一気に出力を読み出す
      • そのおかげでおのずと高価格帯の製品になりがち
      • でも最近のスマホにも搭載され始めてて恐怖を感じる
    • 俗称「グローバルシャッター」(後述)
  • 擬似グローバル型…?
    • 「露光はほぼ同時に終わるが,その後で電荷を画素の中の別の場所に移して,後から並列型で読み出せば良いのでは?」
    • でもこれ「最初からそうすれば良くね」案件だと思うけど…
      • これは考察ですが,キャパシタと接続されるMOSFETのリーク電流が,得られる電荷の量に比べて(相対的に)デカすぎるため,通常では長時間キャパシタ電荷を蓄積すると映像品質が担保できないのではないでしょうか…
      • つまり転送用CCDのように電界の変化のみで電荷を選択的に移動する手段を用意すれば実現できる,というのが私の直感による考察です,フォトダイオードキャパシタキャパシタ→サンプル回路の電荷の移動をCCDのようにやれば良いと思います…

参考
ADCによる違い ednjapan.com SONYがグローバル型のCMOSイメージセンサを実装した事例 eetimes.itmedia.co.jp 擬似グローバル型?について imager.no-mania.com

特徴

  • MOSFETのオンオフがあるため消費電力が大きい
  • 工業製品である以上,素子が増えるにつれて出力値が不均一になる
    • 特にAPS方式だとオフセットもゲインもズレる
      • なので補正ソフトが処理側に必要となる
    • 4Tr画素の採用で品質はだいぶ向上したらしいが…
  • フォトダイオードが光を受け取れる面積が狭い
    • 技術で解決しつつあるよ,裏面照射型だと尚更に強い
  • ローリングシャッター(後述)は辛い
    • グローバルシャッター(後述)は高い
      • が,庶民の手にも届くようになった
  • 既存のCMOS論理回路のノウハウが既にある
    • 開発という観点ではとても強い
  • CCDイメージセンサに比べても構造が(生産の場面において)単純になる
    • あと量産体制が整いやすいので比較的に安くなる

有機CMOSイメージセンサとは

セルの上方の全面に展開した有機光電変換膜において,有機分子の光電効果とバイアス電圧による増倍機構で得られた電荷を, セルの下方にあるキャパシタに蓄積し,それをCMOSイメージセンサと同様の機構で読み出す.
動作順序は(おそらく)フォトダイオードを用いたCMOSイメージセンサを同じ.

特徴

  • 扱える電子の量が増えたので,そもそもの感度が向上している.
    • 何よりスペースに余裕ができて,キャパシタの容量が大きくなった
  • フォトダイオードのような飽和も起きにくくなり,ダイナミックレンジが大きくなる
    • 照射→励起→増幅→流出を繰り返せばいいので
    • 暗くて何も映らない・眩しくて白飛びする,といった現象が起こりづらくなる
      • でも逆にこれ再現できるディスプレイを用意する方が大変なんじゃないんですかね…
  • キャパシタを実質DRAMとして扱えるようになる
    • 自然とグローバルシャッターの下地ができちゃったねぇ…
    • なんなら従来の読み出し回路で擬似グローバルシャッターができる
  • 太陽電池になるための受容体がないということは,バイアス電圧をかけなければ電荷は移動しない
    • 露光の時間や感度がバイアス電圧によって制御できるのでグローバルシャッターができる
  • しかも当初から裏面照射型が前提になってる…
    • 自然と遮光も出来てしまうので誤差の発生も抑えられるね
  • 有機分子の波長特性によっては有機光電変換薄膜だけで色の選択ができてしまう
    • フィルタや分光器が抱える問題がなくなる

加法混色の実現

人間の眼は光の感覚受容期器官であるが,RGBの3つの色にそれぞれ強く反応する錐体細胞によって撮影光の強度を測定し, そこから得られる電気信号の強度比によって色を認識している,加法混色を採用している.
ということはイメージセンサも同様にRGBの3つで認識すればよく,そのためには以下の方法がある.

ベイヤー型

RGGB(赤緑緑青)のみを透過させる装置を敷き詰め,その下に4つのフォトダイオードをそれぞれ配置する.

カラーフィルタか分光器か

そうでなくてもシリコン基盤ですら光を吸収するのに,カラーフィルタで光を吸収するならばさらにロスが増える. そのため分光器を採用することで,対応する波長の光を無駄なくフォトダイオードに完全に導通させられる.
ちなみにSi基盤で最も減衰しない色は赤で,青はその100分の1程度のゲインしか得られない.

3層分光型

2019年,SONY有機光電変換薄膜を3つ重ねたイメージセンサを開発,2020年にはNHKも追随した.
減衰しやすい青が上層・減衰しにくい赤が下層,という構造を取り,エネルギーロスが減り感度向上につながる. 分光器やフィルタが不要な有機薄膜だからできることでは?

SONYの勇姿 xtech.nikkei.com

まとめ

CCD CMOS CMOS
フォトダイオード CCDイメージセンサ CMOSイメージセンサ
有機光電変換薄膜 有機CMOSイメージセンサ

解像度関係

正方形の画素1つ分を1px(ピクセル),1インチあたりのピクセル数をdpi(ドット・パー・インチ)と呼称する.

縦方向について

画面を左から右に走りながら上から下へと順番に辿っていく,と捜査線が定義されている. この本数が映像の精細さを決めており,縦方向の画素数とほぼ同じ意味を持つ.
これは一般的な理工学用(横書き)ノートと同じ.

規格上72の倍数になりがち

標準的な規格はだいたいこれになる.
従来ディスプレイ上にデジタル画像を表示する際に72dpiになっているのが関係していそう(今はもっと高密度化してるけど). またサイズが小さい場合この限りではない(ガラケーで使われていた画質とか).

横方向について

この大きさによってアスペクト比率(画素が正方形の時,横の画素数:縦の画素数)を定めることができる.

ITU系)規格上128の倍数になりがち

72に16/9をかけたら128になる,というかアスペクト比が16:9である. 民生用デジタルコンテンツの大概がこれに基づいている.
ちなみに「〇〇/30/p」「〇〇/60/i」などの記載が動画のプロパティなどで見受けられるが, その〇〇は縦の画素数(捜査線の本数)を意味するので注意,決して横の画素数ではない.
またサイズが小さい場合この限りではない(ガラケーで使われていた画質とか).

(DCI系)規格上2の累乗になりがち

「○K画質」に対して「2の累乗である横の画素数の最大値」「72の倍数である縦の画素数の最大値」を先に設定し, そこから必要なアスペクト比に合わせて切り出す方針を取っている.
電器系のITUと映画系のDCIとでは色々と異なるようで,そっち系の撮影に用いるカメラ・ディスプレイ・プロジェクターはDCI系に準拠し始めている,特にDCI 4Kの標準化が進む.
ほぼ1.9:1となるが,シネマスコープでは逆に縦の画素数を削減することで,おおよそ2.39:1になる.
2の累乗だとメモリやレジスタ的な都合が良かったりしそうだけど,どうなのだろうか…?

シネマスコープの種類

「1.9:1」より広いとシネマスコープと呼んでも良さそう, しかし「2.2:1」「2.35:1」「2.39:1」「2.66:1」「2.77:1」などの様々なサイズが使用されており, 例えばエヴァQとシンエヴァは「2.35:1」の「カラースコープ」(独自規格らしい)を採用していた.
一方で昔からある著名なフィルム映画は「2.39:1」をよく採用していたという歴史があり, これは主にアナモフィックレンズを用いたカメラによる撮影で得られる形式であったが, そのためにDCIも同じものを採用したのではないだろうか.
参考 https://www.nacinc.jp/creative/cine-lens/anamorphic-lens/
ところで個人的には「212 : 33×43」=「4096×1728」の「2.370:1」が良いと思います,覚えやすいし美しいので… 誰か流行らせろコレ

フレームレート関係

1秒間に表示する画像の枚数をfps(フレーム・パー・セコンド)と呼称する.除算すればフレーム1つあたりの表示時間になる.

インターレースプログレッシブ

1枚の画像を常に表示し続ける(すなわち走査線が必ず画面を一巡する)プログレッシブ方式が現在の主流になりつつあるが, 機器の性能が確保できない場合は1枚の半分の画像を交互に表示する(すなわち走査線が1つ飛ばしになりながら移動する) インターレース方式が利用される場合もあり,同じフレームレートでも「p」「i」の有無で区別がなされる.
例えば「1080/60/p」は必ず「60fps」であるが,「1080/60/i」はデータ量を見れば「30fps」である, そして「1080/30/p」も「30fps」であり,方式を変えれば同じデータ量でもスムーズな映像を表示できる可能性がある.

テレビ放送

諸事情あって

  • 29.97fps(30-0.03)
  • 59.94fps(60-0.06)

が採用されている.

アナログ放送時代

前者はアナログ放送用のNTSC規格で策定されたもので,モノクロ放送ではちゃんと30fpsだったものの, カラー放送にするあたり帯域に載せたい情報,すなわち輝度情報と音声情報に加え新たに色度情報が必要となった. 入力する映像データそのものは加法混色における三原色のRGBで構成されるが, そこから輝度情報を与える輝度信号Yと2つの色差信号I(橙との色差)・Q(緑との色差)を新たに算出し, 輝度信号はモノクロ放送と同様に扱いつつ, 色差信号は搬送波に対する位相差(色相)と振幅(彩度)を用いて表現されることとなった.
この状況においては,与えられる帯域が6MHzに対して

  • 音声信号
    • FM(周波数変調)
    • 搬送波の周波数faが定義される
      • この搬送波は音声サブキャリアとも
      • チャンネル周波数 + 0.25MHz(ガード帯域) + 1MHz(輝度信号の中心まで) + 4.5MHz(音声信号の中心まで)
    • だいたい±0.25MHzでBPF(バンドパスフィルタ)がかけられている
  • 輝度信号
    • 全搬送波
      • 搬送波を全て出力する
      • そういや日本だと抑圧搬送波とは区別しないみたいな話を聞いたことがあるけど…
    • 残留側帯波 +単側波帯がメインだが直流付近も使いたいのでちょっとだけはみ出る +負極性
      • 最大の入力で最小の信号を出力する
    • 搬送波の周波数fbが定義される
      • この搬送波は映像キャリアとも
      • チャンネル周波数 + 0.25MHz(ガード帯域) + 1MHz(輝度信号の中心まで)
    • AM(振幅変調
    • さらに同期周波数fhが定義される
      • スペクトルで山状になる部分の間隔のこと
      • fa / 286 ≒ 15.734kHz
      • 白黒時代は15.75kHzなのでまぁ誤差の範囲に入るよねという判断がされた
    • 下は-1.25MHz・上は4.2MHzでBPFがかけられてる
  • 色差信号
    • 全搬送波
    • 搬送波の周波数fscが定義される
      • この搬送波はカラーサブキャリアとも
      • チャンネル周波数 + 0.25MHz(ガード帯域) + 1MHz(輝度信号の中心まで) + 455 fh / 2 = 4.83MHz(4.829 5454...)
    • 両側波帯
      • 定義上そうなる…?
    • アナログQAM(直角位相振幅変調
      • I信号とQ信号を振幅変調して位相90°ズラして足すとこうなる
      • これをすると位相差(色相)と振幅(彩度)が同時に得られる
    • I信号の方がQ信号よりも帯域が大きい(人間の目が敏感なので)
      • どうもI信号の方がQ信号よりもBPF(バンドパスフィルタ)の幅がデカく,前者は2MHz〜4.2MHz,後者は2MHz〜4.2MHz
      • これがどう影響するのかよくわかりませんね…
      • 変調前の時点でQ信号には0.5MHz.I信号には1.5MHzのLPF(ローパスフィルタ)がかかってるっぽい
    • インターリープ式を採用している
      • スペクトル上では輝度信号と色差信号の山が半分ずつズレる形になる
      • すなわち色差信号の中心周波数がfscであり,ここから輝度信号と同じくfhだけ同期周波数が存在する

参考 www.wdic.org https://www.jstage.jst.go.jp/article/itej1997/57/9/57_9_1090/_pdf slidesplayer.net

色空間関係

規格一覧

8K

呼称 解像度 縦横比 俗称
ITU-8K 7680×4320 1.78:1 4320p, 8K UHD

4K

呼称 解像度 縦横比 俗称
DCI-4K 4096×2160 1.9:1
ITU-4K 3840×2160 1.78:1 2160p, 4K UHD

2K

呼称 解像度 縦横比 俗称 備考
DCI-2K 2048×1080 1.9:1 映写機は

ミドルボイス発声時の喉頭の軟骨の可動性について

自分のものを参考に

ということで自撮りした写真をトレスした結果が以下の絵だ

f:id:Soluna_Eureka:20210821063512p:plain

観察

声帯が引き伸ばされている

甲状軟骨の前側と輪状軟骨の後側(に接続している被裂軟骨)の間で張られている声帯が引き伸ばされている. これに釣り合うテンションを声帯に与えることで,本来の話法では出せない高音域でも芯のある発声ができる.

軟骨の位置が変化している

輪状軟骨は後転し,甲状軟骨は前転する,横から見ると「くの字」に折れ曲がっている. 極端にオペラ発声(甲状軟骨をさらに前転させる)と輪状軟骨も前転する.

その変化には限度がある

そのまま裏声を出していくと,hihiCあたりで喉頭に痛みが発生し音域が上に伸びなくなる. これは声帯の引き伸ばしに限度があるためで,LowGからhihiCまでの3オクターブ+4度が私の生理的な音域であるっぽい.
またオペラ発声にも限度があり甲状軟骨が次第に動作しなくなる,下げるだけではなく前転させる方にも限界がある.

考察

ミドルボイスとは何か?

内側の声帯筋と外側の声帯筋のパワーバランスを調節しながら,喉頭の軟骨を可動させて声帯を適度に引き伸ばし, 組織密度を下げつつ音程を調整することで,いい感じに地声のように聞こえる瞬間があり, それをうまく歌唱や話法に活かしたもの…ではないだろうか?

音域は生まれつき定められるものか?

間違いなくそう思う,つまるところ声帯を引き伸ばせない限りミドルボイス発声にはならないので, 喉頭の軟骨の可動域(と声帯筋の強靭さと繊細さ)によって絶対的な音域の限界が定まるということになる. 全体的に声帯靭帯と声帯筋が広く太く強靭かつ繊細で,なおかつ喉頭の軟骨の可動域が広く組織密度の調整幅が大きい, これが音域が広い人の特徴ではないだろうか?

自分の喉についてはどう?自信ある?

これはまぁないですね,もっと声帯が太くかつ可動域が広ければなぁ…と思います,lowEくらいは出したかったのに…

他のボイトレの記事について

ぼちぼちちゃんと書きたいですね. ニコ生で練習したりしていますし. しかしまだまだ練習不足だというのは自覚しています,これは本当に難しい…

空気線図と保湿機構から考える喉の守り方

始めに

日本の冬,特に太平洋側においては,絶対的な気温が下がると共に相対的な湿度も下がるため,簡潔に言うならこの上なく乾燥する季節である.
その時に人体,具体的には鼻腔・口腔・喉頭・気管・肺で何が起きているのか,そして乾燥をどう対策すればいいのか,ということを考えてみる.

知識

(湿り)空気線図

一般的な乾湿計が備えている乾球と湿球の温度を用いて,相対湿度比体積絶対湿度比エンタルピーを求めることができる図(グラフ)である.
空調屋はよく使うみたいな話がよく聞かれる.
なおあくまで標準大気圧( =101.325(\rm{kPa}) ,これはだいたい海面あたりの気圧)に限った図なので,極端に気圧が低かったり高かったりするとどうなるかは,私もよくわからない…

乾湿計

知らない世代や人間もいると思われるため,念のために説明を置いておく…

乾球温度計

要するに気温を測るための一般的な温度計である.

湿球温度計

湿らせたガーゼを巻き付けた温度計である,水が蒸発し熱を奪うため乾球温度計よりも低い温度の値が得られるが,その蒸発の度合いは相対湿度(後述)に依存する.

f:id:Soluna_Eureka:20201128023538j:plain サンキューWikipedia,まぁ他にもいろんな空気線図があるらしいが… ja.wikipedia.org

各パラメータの解説

初めて耳にする用語もあると思われるため,念のために説明を置いておく…

相対湿度

一般によく言われている「湿度」のこと.
完全に乾燥した空気は,温度によって取り込める水蒸気の『質量』の最大値が変化し,それに対してどれくらいの水蒸気を含んでいるかという割合である.
ここで『湿り空気(の質量)』の組成を『乾き空気(の質量)』と『水蒸気(の質量)』に分けて考えると非常に便利なので.以下からはそれを利用して記述していく.
含有水蒸気量 x(\rm{kg}) と最大含有水蒸気量 y(\rm{kg}) に対し,相対湿度は \dfrac{x(\rm{kg})}{y(\rm{kg})} で求められ,その単位は無次元である(割合ではあるため%で表すことが多いが).

比体積

乾き空気 1(\rm{kg}) と水蒸気 x(\rm{kg}) で構成される湿り空気の体積が v(\rm{m}^3) であるとき,その比体積は \dfrac{v(\rm{m}^3)}{1+x(\rm{kg})} と定義され,単位は \dfrac{\rm{m}^3}{\rm{kg}} である.
そして「乾き空気・水蒸気量・湿り空気」考え方の特性として,乾き空気は常に 1(kg) で固定されているため,実際には単位として \dfrac{\rm{m}^3}{\rm{kg(Dry Air, DA)}} と記される.

エンタルピー

\begin{align} a &= b \\ cdvfbfb &= a \\ \end{align}

【 #LogicProX 】 #Sampler のModで,Key使用時の数値計算が厄介

ついさっきピアノの調整をやってて気づいたのでメモ

なんだコレは

f:id:Soluna_Eureka:20201029200715p:plain f:id:Soluna_Eureka:20201029200727p:plain

動作が一貫していない…そうはならんやろ…いやなっとるやろがい!

表示のバグじゃなさそう

ガチでこれで動作しているっぽい,いやマジでクッソ非論理的だよなこの音源

設定後に必ずチェックしよう!

理由は不明だがGUI描画の更新抜け動作が非常に多く,ModSourceを変更した後に数Amountを弄ると,いきなり描画が更新されることが多々ある…う〜んこの…

ViaにKeyを置くと…どうなるの?

いや,未検証だけど…面倒だからやりたくないわ…

#QuickSampler ではどうなってる?

f:id:Soluna_Eureka:20201029204021p:plain Filter1の通常時と一緒らしい…?

喉頭の動きまとめ

実際に歌う時の動作

大体こんな感じだというように感覚が落ち着きました,赤は外喉頭筋で青が内喉頭

f:id:Soluna_Eureka:20201003230052p:plain f:id:Soluna_Eureka:20201003230108p:plain みんなも自分の喉を観察しよう
骨とか筋肉とかの名称はfunatoya.com とかfunatoya.com を見るとわかると思いますね

ボイトレ記事にありがちな内容に関する議論

1.「高い声を出すために甲状軟骨を下げる」のは正しいか?

5割ほど正しいと思います,甲状軟骨自体は変なこと(後述)をしないと下がらないです,嚥下時に作用する筋肉を意図的に使うことはまず難しいです
もし輪状甲状筋がうまく作用しているような場合は,「甲状軟骨が前回転」する状況よりも,「輪状軟骨が後回転」する状況の方が起こりやすいっぽいです

私の場合だと喉仏の下半分が引っ込むように見えるし,そして多くの歌手の喉も映像ではそうなってるように見えるので,高音を発声する際には「輪状軟骨が後回転」する,という方が説明としてはより正しいと思われます
ただし引っ込み方には注意する必要があり,例えば輪状甲状筋が後回転せずに奥に引っ込んだり,甲状軟骨も一緒に奥に引っ込んだりすると,それはただ単に喉を閉めているだけであり声帯が伸びているわけじゃないです 嚥下とは異なる筋肉を使うという意識があると,わかりやすくこういった喉締めを認知できると思います

そうなる原因

甲状軟骨はいくつもの筋肉と靭帯で頭蓋骨に吊るされていますが,それが思ったよりもかなり硬いせいで,柔らかい気管の靭帯がぶら下がってる程度の輪状軟骨じゃ輪状甲状筋のパワーで簡単に引き上げられちゃうっぽいです

それで気管に影響はないのか

そもそも人間は普段から嚥下する度に,喉頭の全体が喉頭蓋を押し回せる程に激しく上下しているので,ちょっと回転させるくらいどうってことないと思います
問題なのは最初に違和感を感じたりその感覚に慣れないと長続きしない点で,気管の柔軟性を高めるという意味でも練習は必須の技法なのは間違いないです

「甲状軟骨を下げる」理由

イラストにある通り,私は後回転しすぎた輪状軟骨とそれによって折り曲げられた気管が食道のあたりを斜め上に強く押し潰すらしく,かなりの苦痛を感じるというかかなりの吐き気を催すことになります
また声帯への息の流れの当たり方(角度と強度分布)が変わるので,自然な状態での発声から離れてしまい,声質が変わりすぎてしまいます 上のイラストでは分かりづらいですが,イメージとしては声帯が後方向に傾いてしまうような感覚です

もし輪状軟骨にそこまでの可動域がある上で音域をどうしても伸ばしたければ,胸骨甲状筋を使って甲状軟骨の方を下げ,声帯の位置を相対的に元に近づけながら発声をする…といった動作が必要になるぽいです
そんな音域の発声が喉に良いとはあまり思えませんが,吐くよりかはまだマシですし,恐らくミックスボイスはそれが必須条件になると思います…

あと純粋に輪状甲状筋のパワーが足りない人だったり喉頭の形を変えて声色を変えたい人だったりすると,割とそうやって甲状軟骨を下げているように見えます
ただ喉頭を引き上げて声を出したり唐突に生唾を飲んだりといった癖があると筋肉を傷める可能性が高いし,甲状軟骨を喉頭の外から下げるのってかなり難しいし慣れるのにも時間はかかるので,自己責任でゆっくりやってください
そして音高自体は輪状甲状筋に左右されていることを忘れてはいけません,それを鍛えずして声域を広げる方法なんてきっとないでしょう

2.「甲状軟骨を上げない」のは正しいか?

正しいと思います,無闇に喉を締めるのは本当に良くないです
嚥下や演技や声真似では上がる場合もあるかもしれませんが…

喉頭筋群は力を入れない,入れるならまずは胸骨甲状筋だけ,そこから声質を変えるためにあらゆる部位の力の入れ方を微妙に加減する」という流れが,ボイスビルディングとしては適切な表現なんじゃないかなぁと思っています

3.「声帯を伸ばす」のは正しいか?

高い声を出すという点では半分くらい正しいと思います,ただ最後にはどうせ声帯の筋肉そのものの能力に依存するので,そこからは逃げちゃいけません
まぁこういった技法で声帯が伸ばせるようになるまでの間に相応の筋力が声帯にもつくと思いますが,テンションと厚さを意識して声色を把握しながら音域を上げるって意味が分からないくらいに難しいです,私もまだ完璧じゃないです

ぶっちゃけ裏声を出すだけでも声帯を伸ばす感覚はつくんじゃないでしょうか,あとエッジボイスとかでもかなり効果があると思うので日常の癖にしておきましょう

4.「声の素質は生まれつき」は正しいか?

残念ながらかなり正しいと思います

としか言いようがありません,ただ鍛えずにこれは無理だっていうのはちょっと違うのかなぁとも思います…声を鍛えた場合の損って全くないじゃないですか…

何が言いたいか

喉が無闇に締まっているだけなのか,それとも強力に声帯が伸びているのか,まずはこの判別が感覚的につくようになるのが大事だと考えています

「正しい発声」ってなんだろう,ちょっと考えてみた③内喉頭のボイスビルディング

喉頭そのものについては

前の記事を見てくれ,ここにあらかた書いてある,喉がお好きなら先にこれを読破することをお勧めする

ボイスビルディングのアプローチ

以下,個人の見解を交えてお送りします 量が多いので追記していきます

声を作る

声というものは当然ながら生まれ持った個性(喉頭や口腔の形状,声帯の質,東塔の遺伝的要素)が大きく影響を与えるが,しかし技術や経験によっても左右される場面も大きい.むしろ芸術として声と向き合うなら技術と経験が必須であり,そもそも様々な努力(無意識的な癖も含めて)もなしに何かができる人間なんてそうそういないじゃないだろうか…
ということで,コレからは維持性・合理性・パフォーマンス性・楽しさという観点を守りつつ,どうやって声を出していこうかについて書き出していく.

ボイス"トレーニング"ではなくボイス"ビルディング"

まず声域を広げたいといのいちばんに思ってこのページに来てくださった方へ,真っ先に言わねばならないことがある.
当然だが内喉頭といえば声帯を司る声の心臓部であり,声の原音を発生させる機関をどうにか改善しようとすれば,必然に声域を広げることにも繋がる…はずである.
確かに声域は広い方が良い分には間違いないし,歌えるメロディや表現できる声色のレパートリーの増加は間違い無く芸術のインスピレーションの成長に繋がる.自分が出せない音について何かを閃く,これは早々にできることではないだろう…

しかしあらゆるトレーニングの大前提として日常の行為から改善していくのが最も基本的なスジであり,まして発声という人間が普段からやっているような行為に取り掛かるためには,それこそ普段からの声質にこそ向き合うべきだ.
もしそこに問題があり続ける限りは,声域を広げるどころかその声を一生に渡って維持することすら難しいだろう.例え声域が伸びたとしても,維持性・合理性・パフォーマンス性・楽しさの追求を怠れば無理が祟り,声そのものを喪失する.

だから声域を広げるというのは声質の次に来てくれる話である.つまり日常を見直し一から積み立てて行かねばならないために,ボイスビルディングという呼称を使用したいと考えている.
なんだボディビルディングのつもりかよと言われると,確かにこれは実際にはボディビルディングに近いと言わざるを得ない.というよりも喉頭だって体の一部なので極論これもボディビルディングである.Q.E.D

そもそも声の界隈というのは,声に命を懸けて生きるプロが声のトレーナーのプロに自分の声を預けるような場所なのだ,本当に声に命を懸けたいならこんな記事には頼らずに,今すぐに経験豊富な事務所の元に行くべきなのだ…


声域には興味ないねという方へ,そんな方がこのページに来てくださった動機としてはまさに日常の行為としての発声における声質の改善であると思っているので,改めて日常の積み立てとしてのボイスビルディングに励んでいただければ幸いである.
また今の時点では上記のくだりは読み飛ばして結構だが,万が一に声域に興味を抱いてしまった場合は十分に注意していただきたい.人間の好奇心とそこからくる意思の大きさを甘く見ていると,度を過ぎた行為が何もかもを無に帰し全てが後の祭りとなってしまうことも多々ある.

ところで声に致命的な問題を抱えているなら,前の前の記事に書いてある通りに,真っ先にしかるべき機関を受診していただきたい.

努力が必要か

もし今の声で良いならばボイスビルディングをやる必要は全くない,と事前に注意書きを用意したい程度には確かに努力が必要である.切欠や根拠や論理こそ何だって良いが,年単位で努力を継続できるだけの環境を用意するべきである.

特に自分に途轍もない才能があり数週間で劇的に進化できるといった幻想に可能性を賭けるのは危険であり,その上で自分の悪い癖を修正しようとなれば尚更に(心技体の全ての面において)難しくなる.もちろん発声という根源的な行為だから難しいんだとも言えるし,例え何かを習得したとしてもそれを継続できなければ,こと発声においては習得した意味がなくなってしまう.

しかし同時にボイスビルディングは芸術を抜きにして日常という一面だけ考えてもお釣りが来る程度には有益性が高いと考えている.むしろ芸術を追求する必要性が存在しない,維持性・合理性・パフォーマンス性・楽しさを今後の人生で使う声にもたらすべく努力を投資する,という状況だけでも十分ではないだろうか?
それ故に,今後の人生のためにも私は長期的な努力を投資してでもボイスビルディングを検討することをお勧めしている.

しかしこと発声において異常な苦痛を強いるような努力というのは大抵は間違っている(というかやめた方がいい).例え疲れを感じることがあっても,致命的な異常が発生するわけがないし発生していいわけがない.
確かに世の中にはそういう努力をせねばならない場面というものも存在しているとは思うが,発声は決してそういう場面ではないはずだ.

声域と努力

稀に自然と声域が広がったように感じている人間がいる(私もその類で17歳ごろから急に上に伸び始めた)が,しかし実際は意識せずとも相応の訓練を行なっていた(私は音楽室を借りてお目当ての曲を聴き込みながらピアノと声で耳コピをしまくっていた)結果である場合が多いと思われる.
そもそも何の努力をしていないのに声域が広がるわけがないだろう.性転換術に伴うホルモン注射や声帯伸長やで声域が上がることこそあれど,一切の外的な影響力を用いず内的な影響力のみで声域が上下に広がる状況において,もし鍛錬以外の要因があったら余りに恐怖すべきことであろう.

故にもし声域を広げたければ,ボイスビルディングの期間は一生に渡って続くものだと考えるべきである,つまり一生をかけて声を鍛錬していくのだ.
しかし声域を広げたくなるような人間はどうせ一生に渡って声を使う芸術と同居し続けるだろうし,これはもう今更すぎる話じゃないかと思う節はあるが….

そして実はボイスビルディングにおいて最も注意すべき人間こそ,自然と声域が広がったように感じているタイプなのではないかと考えている.
極論を言えばそういうタイプは普段から感覚的に発声を行なう癖がつきやすいため,自己分析と自己評価について無心になりがちになり,フィードバックもうまく行えない.おまけに一から行うボイスビルディングにも手を出す必要性を感じないため,自分の声を理解しないまま事態だけが悪化し続け,やがて異常な負荷が原因となり声そのものを喪失する.
(なんせ私自身がそのような事態になりかけた,こんな長ったらしい記事を書くようになっている時点で過去に私に何が起きかけたのか,もはや言うまでもないだろうが…半年前から声に謎の雑音が入り始め,音程が取り辛くなったのだ…)

そもそも声域が自然と広がった時点であなたは周囲に比べて既にアドバンテージを獲得しているのだ,そこで今一度だけ立ち止まって自分の声を見直し,理解を深めてみてはいかがだろうか?
事態の悪化が手遅れになる前に,何より声を今より良いものにするべく,ボイスビルディングの手順を踏んで改善手法を見つけたいものである.

声質と努力

そしてボイスビルディングの9割はそもそもこの一点に集約されるのではないかと思う,なぜならば声質を自由自在に操れる時点でそれは内喉頭の操作の練度が高い事を意味しているからである.そして操作の練度が高くなれば鍛錬もより捗り,その果てには音域も自然に広がっていくのではないかと考えられる.
また他人と発声を伴う会話を行う場合,声質が自分そのもののアイデンティティ となる事を考慮するべきである.このご時世に流行っているのオンラインミーティングにおいても尚更で,いかにして豊かな会話を行うかという点において声質は非常に重要なファクターとなる.

声変わりとボイスビルディング

もしかすると声変わりの真っ最中や声変わりがまだ来ない方,もしくはそういった子供をお持ちのご家庭の皆さんがこのページに来てくださったかもしれないという可能性もあるので,声変わりについても触れておこうと思う.

男女に関わらず人間の宿命として成長の過程で発生する現象が声変わりであり,一般には肉体の成長と共に声が低くなるような現象だと一般には理解されている.
しかし実際は声帯が太く長くなるだけにはとどまらず,咽頭の構造そのものが大きく変化することで音高に限らず声色にも変化がもたらされ,結果として声が低く性差がはっきりわかれたと感じられるようになる.

声変わりに関する実際の資料としてこちらを参照されたい.人間は声色や言語的な発音を聴き分ける際に,周波数帯域で見た際の強度のばらつきのピーク(フォルマントと呼ぶ)について,それがどこに存在しどう移動するかを知覚している.
具体的にはこちらのように,性差は第1・第2フォルマントの絶対的な高さ・母音は第1・第2フォルマントの相対的な差によって決定され,喉頭の形状で性差が・口腔の形状で母音が決定する,とされている(個人的にはまだ謎が多いと思っている).

このように多くの要素が変化していく声変わりの真っ只中にいる方は,トラブルを避けるためにもボイスビルディングに取り組むのは止めるべきであろう.更に私個人の強い思想としては声変わり前の人間もボイスビルディングに取り組むのは控えるべきであり,男性ならば尚更に声変わりの期間においては徹底的に喉を保護せねばならないと思っている.

声変わりに起因する症状はいずれも変声障害と呼称され,どうしても声が掠れたり裏返ったり声が低くならなかったりという内容が多く,またほとんどは男性に症状が現れる(女性にも稀に現れるらしい).
詳しい事例は変声障害と調べれば数多くヒットするが,治療方法も状況に応じてトレーニングから投薬・手術まで様々である.例えば声変わりが感覚的にしなかったという事例であっても,頻繁な声の裏返りが発生するために治療を行う(喉頭は発育している)のか,それとも声自体を低くする(喉頭が発育していない)のか,という状況がそれぞれ存在し,心理的な要因を仮定して発声練習を行うような段階から喉頭を切開し物理的に声を低くする段階まである.

そのようなトラブルが起こり得るような状況で負担を感じるような発声は控えるべきだと考えるのが妥当であろう.そもそも運動部にありがちな部活動の声援も音楽の授業の合唱も変声期にやるべきことではなく,身体的な原因だけではなく心理的な原因をも誘発し変声障害を発生させるする要因だと考えざるを得ない.もちろん成長ホルモンの不調によってトラブルが発生する可能性だってあり,とにかく声変わりはあまりに繊細な成長の一つであると言える.
綺麗に声変わりをしてからでもボイスビルディングは遅くないし,何より社会全体がもっと声変わりに気を使うべきではないだろうか…?

私の声変わり体験

(参考程度に)
私の場合は12歳で声変わりが来たが,それはある日に何の前触れもなく一切声が出なくなり,その状況が8日間ほど続いたのが声変わりの期間であった.
同時に体も心なしか火照ってしんどく半ば風邪のような感覚があり,最初は風邪のせいで声が枯れたのではないかと考え,マスクの着用と共に発声を禁じて普段よりも長く体を寝かせていた.
9日後から徐々に発声ができるようになっていたが,その時には明らかに差を自覚できるほどに声が低くなっており,これが声変わりだとその時にようやく気づいた…もとから声は低い方ではあったがこれを機に更に低くなり,当時は国家がまともに歌えないレベルにまで到達したや〜い非国民
なお以前から無意識的に裏声は使えていたが,この期間から更に1週間が経過するまでは裏声が出せなかった.そして内喉頭の形状の変化は17歳ごろまで続き,奇しくもその直後から声域が上に伸び始めた.

…といった自身の経験があるため,声変わりで声が低くなったら二度と高い声が出なくなるのは迷信であると確信しているし(それでも以前の声が出せるわけではないが),声変わりの期間はやりすぎな程に喉頭を保護するべきだと思っている.
もちろんこれは私の当初の勘違いが偶然にもベストな対処に繋がった超絶幸運な事例であるし,一般的には徐々に声変わりが進行するらしいのでこのように短期間の急激な変化に集中して対応できるケースは超絶レアであろう.
そのためこれは参考にすらならないかもしれないが,これくらいの対処を実行する覚悟は誰しもにあって欲しいと望んでいる.

ボイスビルディングのメニュー

練習に使えると思った曲

第九・第四楽章・例の合唱

  • 言わずと知れた正月の風物詩
  • エヴァを知っているなら歌えるはず
    • 3EM27はオタクの必修科目

ポイント

  • うまい手本が大量に揃っている
    • おまけに西洋声楽に準拠している
  • そこの部分だけは究極的に覚えやすい
  • バスとテノールの標準的な音域をカバーしているので両方やってみよう
    • なおテノールの音飛びが鬼畜すぎる,私の見間違いではなければhiF♯を要求しているので,最初は普通にバスとユニゾンでオク上がいいと思う
  • ドイツ語の発音は滑舌練習に使えると思う,言語としての優劣は置いといて

参考資料

桜木町

ポイント

  • 覚えやすいメロディライン
  • 北川パートと岩沢パートで練習できて二度美味しい
    • 最高音はhiCなので岩沢にしては優しい
    • おそらくミドルボイスがガンギマリしている岩沢ボイスと比較的には一般よりの北川ボイス,一人二役を頑張れば嫌でも声の柔軟性が鍛えられる

参考資料

  • 曲を買って聴き込もう

THE HERO!! ~怒れる拳に火をつけろ~

ポイント

  • 基本のメロディはmid2DからhiBまでに収まっている
    • その癖して最後のシャウトはhiF♯である,シャウトボイスの練習にはもってこい
    • 確かハモリのメロディの最高音はhiDだった気がする,挑戦してもOK
  • テンポも早く滑舌も要求される,いかに無駄な力を抜くかの勝負
  • 題材が題材なので崩した発声で歌唱に味付けしても良い
  • セリフまでやると休む時間が全くないのでスタミナ強化にも効果的
  • そもそもJAM Projectは化け物なので,化け物が担当するトラックを化け物のように歌おうとすれば,必然的に化け物を目指すトレーニングが行える
    • でも全ての面において全く勝てる気がしないんだが?

参考資料

  • 曲を買って聴き込もう

インフェルノ


次回④

喉頭について…ですかねぇ…

「正しい発声」ってなんだろう,ちょっと考えてみた②内喉頭の紹介

喉頭の概要

こんな構造になっている f:id:Soluna_Eureka:20200803195532p:plain f:id:Soluna_Eureka:20200803195839p:plain ここからお借りした

パーツ紹介

骨☠️

甲状軟骨

いわゆる喉仏で手で触れる,コイツに声帯(らへんの筋肉)が付随している.
コイツが動くと声帯も動くし,逆に言えば声帯の張力を直に引き受けてるのもコイツ,あと輪状軟骨が結果的に引き受けていたりもする.
そしてコイツはよく動く,生まれたままだと意識的に動く人と動かない人がいるだろうけど,訓練すればほぼ動くと思って間違いない.

輪状軟骨

喉仏の下にある輪っかの軟骨で気管の入り口でもあり,気管軟骨とは靭帯で繋がっているためまず動かないし意識されない.
訂正:輪状軟骨は上下方向は割と柔軟に動く,というか私はかなり動く人である.
声の出し方によって様々なポジションに移動する,靭帯で繋がっているのに…

そしてコイツに被裂軟骨と甲状軟骨が接続されており,甲状軟骨とは筋肉で結ばれているが故に喉仏は動くものの,被裂軟骨とはただくっついているだけである.
なおその被裂軟骨との接続部は関節包というもので支えられている,そりゃあよく動くからねぇ…

被裂軟骨

卑劣軟骨声帯に直接関わる筋肉が全てここにくっついている.
声帯の開閉や声質の調整に使われるパワーの架け橋である.
よく勘違いが起きる点として,コイツは輪状軟骨との関節を中心軸として回転し声帯を閉鎖する,決してスライド式ではない.
そのためその動作として声門閉鎖時には内転・声門開放時には外転と呼ばれる,もちろん気管の中央を基準として考えている.
起きうる障害があるとすれば,例えば口経由の気管挿管はちょうど管が喉頭を通過するので,その際に希に被裂軟骨が脱臼するらしい,こっわ…
(こんな記事を見つけたので)

喉頭蓋軟骨

要するに喉頭蓋の実体であり,コイツが動いてくれているおかげで食物と空気の分離が可能となっている.
またコイツを上手く開くと鼻腔の方に声がよく通るので響きが良くなると言われているが真偽は知らん.
あくまで軟口蓋とは別モノ…ところでこれなんで軟口蓋って言うんだろ,咽頭蓋の方がいいだろ…

舌骨

顎の奥にあるU字型の骨で手で触れる,顎骨格や頭蓋骨や甲状軟骨や鎖骨とを結ぶ筋肉が走っている.
こいつも動くが,内喉頭からは話が逸れてしまうので細かいところはパス.

膜or靭帯🦴

甲状舌骨膜

舌骨と甲状軟骨の間は膜で覆われている,このおかげで外部からの異物の侵入が防げたり甲状軟骨の脱落が防げたりしている.
手で触れるが,この奥に喉頭蓋軟骨が存在する.

正中甲状輪状靭帯

甲状軟骨と輪状軟骨を結ぶ靭帯でど真ん中にに1つ存在する.
これも双方の脱落を防止していくれている.

輪状気管靭帯

輪状軟骨と気管軟骨を結ぶ靭帯で,実質的に喉頭の最深部の要であり,これと甲状舌骨膜によって後頭部は懸架されている.

声帯靭帯

声帯筋の表面を覆っている靭帯,というより靭帯の扱いをされながら声門の役目を最も果たしている声の要.
コイツを直接的に操作しているのが声帯筋たる甲状被裂筋である,声帯筋の気分によって様々な周波数特性の原音が出せるが,基本的には長さや太さの個人差には抗えないので受け入れること.
ちなみにこの上にさらに表皮が被さっており,負荷に耐えかねて出血したり結節(ポリープ)ができたりすると悲惨なことになる.

筋肉💪

輪状甲状筋

輪状軟骨と甲状軟骨を結び甲状軟骨を思いっきり前傾させるVの字型の筋肉,別名は前筋であるがクッソ重要.
コイツだけ他の内喉頭筋とは所属する神経が異なっているが,声門筋だけでは実現しない発声に必要不可欠なパーツであり,鍛えて損はない.
しかし所属する神経が異なっている上に普段はあまり使われないため,発声と同時に動かすのに中々に慣れないっぽい.
具体的に何をするのかというと,声帯を物理的に引き伸ばす

甲状被裂筋

声の正体,声の本質,音の魔術装置,歌手の生命線,等々いくら二つ名を挙げてもキリがない.
別名は声帯筋,その名の通り声帯を唯一に直接に操る筋肉であり,真っ先に鍛えるべきであり衰えた際に最も声が出なくなってしまう筋肉.
コイツの力の掛け方によって多様な声色が出せるが,持っている声帯靭帯の形質を超えることは非常に難しい(というか不可能),性転換に伴う高音化手術を行っても声帯筋と声帯靭帯にはまず手が出せない.
それくらい繊細で高機能な筋肉であり,大事に扱いながらも鍛えるべし.

実は2種類に分かれている

詳細ない解剖イラストにおいては内側と外側の2種類があり,声帯に直接に作用し発声を制御する内側の甲状被裂筋のみを声帯筋とよぶことがある(ここを参照).
f:id:Soluna_Eureka:20200804225806p:plain じゃあ外側は何なんだという話だが,これだってもちろん発声の役に立っているものの,例えば誤嚥された障害物の排除に主に役立つのがこの外側である.
その上で内側の動作を確実に補佐してくれる存在なので,鍛え忘れてあげないようにしよう.

後輪状被裂筋

ここからは被裂軟骨に作用する筋肉の紹介になる.
コイツは唯一声門を開く(外転させる)ことができる筋肉で,つまり麻痺すると声帯が開かない(声帯外転不全と呼ぶ)状況に陥り,窒息回避のための措置(重度の麻痺症状の場合は気管切開)が取られる,こっわ….
原因は様々であるがほとんどは神経に原因があるほか,新生児にも声帯外転不全が見られる場合があり注意が必要.
(こんな記事を見つけたので)

横被裂筋(横筋),斜披裂筋(斜筋),外側輪状披裂筋(側筋)

厳密な動作が異なる3つまとめてしまったが,要するにいずれも披裂筋自体を閉じて(内転させて)発声を行なったり完全に閉じたりするための筋肉である.
声帯筋と同様に衰えると発声ができなくなる他,声門が持つ誤飲時の最終ゲートとしての役割が果たせなくなるため誤嚥性肺炎で○にやすくなる,だから発声訓練は健康的な長生きには有用なのである.
更に動作的な発声障害といえば内転に関わる筋肉の動作に問題が生じていることが多いので,鍛えて損はない…が,声帯筋と同様に不随意運動をするので意図的なトレーニングはやはり難しい.

粘膜

気道は粘膜に覆われており,様々な分泌液を大量に放出して外来病原体○すマンとなっている,これは粘膜防御機構とも呼ばれ(ここを参照),粘膜腺から一般的な分泌液を出すだけにとどまらずリンパから免疫グロブリン等をも出して生体を防御している.
しかしこの免疫機構が過度に働きかえって炎症を亢進する状態が発生してしまう場合もあり,慢性気管支炎はそのような状態の一種である…らしい.

区分的には口腔よりも気管に近い喉頭も例外ではなくその機構を持っており(ここを参照),食道との分岐点にあたるせいで特に負担がかかるためか,粘膜腺がよく発達する.
f:id:Soluna_Eureka:20200804220723p:plain だから悪い発声を続けたり何らかの傷害や病変に冒されたりすると簡単に粘膜が腫れ上がるし,過度の飲酒や喫煙なんかしたらそれこそ喉頭癌になるのは目に見えている.

もちろん参照先の通りにこんな形をしている喉頭なんだからこれは人間に特有の癌だという側面もあるが,それをわかっているなら尚更に喉頭を大事にするべきであるということは察するに余るだろう.
…うん,やはり過度の負担や乾燥はよくない,後世のためにも異常を感じたら直ちに練習を中止し回復を待つべきだと,ここではっきり主張しておこう.

ちなみに後述する仮声帯の肥大もこれによって発生していると考えられる,ひとたび肥大化すれば萎む希望はほぼないだろうし,西洋声楽が仮声帯の使用を否定したりデスボイスを拒絶する理由もよくわかる.

仮声帯について

どんなもの

解剖学的な知見ではとりあえずここを参照してほしい.
f:id:Soluna_Eureka:20200803213441p:plain

喉頭前庭ヒダ・前庭ヒダ・室ヒダ・仮声帯と呼ばれる.室靱帯によりできたヒダ.喉頭室と喉頭前庭の間に位置する. (Feneis)

簡単に言うと,声帯の上にもう1つの何かしらの靭帯があり,そこにヒダが付随して突起として存在している.

役割

特に誤飲時の防御弁として役立っているほか,発声にも関連すると書く記事が後を絶たないが,同時に仮声帯の肥大による発声障害の事例も報告されている.

誤嚥防御体制の3段階の内で、喉頭蓋に次ぐ2番目の防御弁であるとのことだ。最後の防御弁は声帯で、空気以外の食物や液体が、気管に入るのを防ぐ役割を果たしている。 もしも誤嚥してしまったときは、声帯だけでなく仮声帯までも内転して閉鎖し、声門から下の気管内の圧力を発声時の10倍にも高めて、一気に開放することにより、咳嗽反射を起こし、異物を気管より上に、押し出す。

参考はココ,この方は阪大医学部出身の開業医(既に退役されたが)というガチ勢なので,この内容はほぼ確実に正しいと思われます.
(最終更新の2016年から今までにひっくり返るような研究が無い限りですが…)

仮声帯による発声障害

ここここ,,ここ,といったように仮声帯の構造のせいで発声に障害がおき,手術やリハビリによって改善したという事例が散見される.
あくまでこういったケースがあることを念頭においた上で,仮声帯を用いた発声は自己責任で行われたし
私としては他人に仮声帯を無理に使ってまで何かを表現することは推奨できないし,まず最初に声質や音域を改良したいのであれば,西洋の声楽的な知見に基づき仮声帯による発声は悪であると断じる方がマシであると考えている.

仮声帯が干渉する発声

ここにある(少し古いが)ように,様々なジャンルにおける歌唱時の喉頭の様子を観察すると,日本における謡曲浪曲の発声においては仮声帯の振動が付加され,喉声や不濁声と言われる嗄声が発生することが確認されている.
またこの性質を利用して,ここにあるように人工音声合成における表現手法の一つとして,仮声帯のモデリングが試みられている(ここではモンゴル系の喉歌についてであるが).

そういった意味では感情表現にすら使われるパーツではあり,しかし同時に仮声帯被厚による声帯や声道への悪影響も懸念されているため,やはり私個人としてはオススメはし難い.

デスボイス,シャウト,スクリーム,グロウル

…に仮声帯が使われるらしい.というのも私はそこの辺りを全くわかっていない.
声帯を使う?仮声帯を使う?音の高い低いは?掠れながら息を抜く?…といった感じでとにかくよくわかっていない.
いずれにせよ確実に喉に負担がかかるためボイストレーナーですらオススメしない代物であることは間違いない,挑戦する際は完全に自己責任でお願いしたい.

自分なりの考え方として

後述する声帯筋の動作の1つであるボーカルフライに関連して言えば,ボーカルフライが声帯のみを硬く閉めて震わせる方法であるのに対して,スクリームはむしろ声帯と仮声帯の閉め方のバランスを調整してノイズを作る方法ではないかと推測している.
これはあくまでダミが入った吐息を出した時の私の感覚であり,正しいスクリームであるとは限らないし出せる人に聞いた方が間違いなく良いだろう.
ただゾンビボイスであると言われればその通りではあるが,動作の中身は全く対照的である上に,ボーカルフライとは違い歌唱的に正しい発声とは真逆を行くであろうことは想像に容易い.
せめてボーカルフライが自由自在に出せる程度のレベルにまで到達してから手を出しても遅くは無い,そういう意味で人間を辞めた人間による発声手法であると割り切った方が良いと思われる.

喉頭筋についてまとめ

喉頭の内側にあるってこと

何が基準なのか知らんけど…
つまり外側にあれば外喉頭筋になる,ちなみに文献によっては輪状甲状筋が外喉頭筋の扱いを受けてる場合があったりする,コイツだけ声帯に直接働きかけないからしょうがないね.

色々と面倒な奴

喉頭周りは高度な発声の機能を得る代わりに高度な不随意反射を構築しているため,コイツに障害が起きると場合によっては割と致命的な状態に陥る.
腫れる程度ならまだしも高度な運動障害となるとキツい,理由は様々であろうが必ずしも生存に不可欠な器官では無いため切除されることが多い.

しかしそれでも呼吸に係る防御機構の最重要を担っており,大切にするに越したことはないだろう.

喉頭の敵

乾燥

常日頃からマスクつけろ,そして部屋を除湿しすぎるな,お前が不快でも喉は快適なんだ,喉のためにそれくらい我慢してみろ
あともし酷使して何らかの異常を感じたら然るべき対策をしろ,というかなるべく発声をやめて口を噤んだほうが今は身のためだ

マスク

いつもの,ここ最近で波乱を起こしたアレ,ぶっちゃけ保湿できれば何でも良い

のど飴

殺菌作用を期待するならどうぞ

スチーマー

鼻腔・口腔・喉頭を保護できる優れもの,本来は花粉症対策や風邪予防で鼻腔と口腔の洗浄と保湿が目的…だがもちろん喉頭の保護にも使える
調べた限りだと生理食塩水対応型の方が良さそう,非対応のものは水道水専用でかえって粘膜が傷むとか言われているっぽい

www.aandd.co.jp

買おっかなぁ早く買えよ俺…このご時世で売り切れてるかもしれないけどな…

細菌・ウイルス

だからとりあえずマスクつけとけって,あとは外出後はしっかりうがいしろ,うがいの効能を舐めるんじゃあない
地味に口腔における唾液の分泌も割と重要だからしっかり口を動かせ,唾液分泌量の多さはすなわち健康力の強さだ

誤嚥

常によく噛んで喰えばしっかりと飲み込む癖がつく,飯は味って食べろ
ちなみに発声訓練をするだけで誤嚥悪化に伴う誤嚥性肺炎が予防できるぞ,老後のために今の内から訓練しておこうな

飲酒・喫煙

趣味趣向の範囲だからまぁ止めはしないが,生涯に渡って背負うことになる相応の負担とリスクだけは覚悟するべきだろ
そもそも歌が大好きなのに酒焼け声や喉頭癌になりたい人間なんていないでしょ…えっいるの?私は怖くてもう飲酒喫煙できないねぇ…になっちゃったよ?
それとも創作にはアルコールが必要なのかしら…ううむ…

そういえばごく稀に特殊な人間がいますね,飲酒ロシア声優さんとか飲酒弾幕神主さんとか,後者はともかく前者はどうして声が潰れないのか不思議でたまらまい,アレはとんでもない労力で喉をケアしているとしか思えないので,一般人があの生き方を真似するのは無理だと思います.
いやアレは喉スチーマーとかだけで何とかなるとは本当に思えない,謎すぎる…

栄養と再生の欠如

負荷をかけたら栄養を補給して休ませる,これがトレーニングの原則な,十分に回復するまであんたのトレーニングは一時中止だ
あとチートデイじゃないけどたまには発生しない日だってあった方が良い,自分の耳をリセットして声の録音データをチェックしよう,自分で聞こえる声は割と…いや全くアテにならないので…

発声の要

  • 輪状甲状筋
  • 甲状被裂筋
  • 後輪状被裂筋
  • 横被裂筋
  • 斜被裂筋
  • 外側輪状被裂筋
  • 声帯靭帯

暗記しましょう,さぁご一緒に

  • 輪状甲状筋
    • 声帯を伸ばす
  • 甲状被裂筋
    • 声を作る
  • 後輪状被裂筋
    • 声門を開く
  • 横被裂筋
    • 声門を閉じる
  • 斜被裂筋
    • 声門を閉じる
  • 外側輪状被裂筋
    • 声門を
    • コイツに限っては「狭める」の方が適切かも…
  • 声帯靭帯
    • ありのままの性質を受け入れよ†

次回③

喉頭のトレーニングについて扱いたいが…
今回は思った以上にかなり長くなってしまった,てへ★

「正しい発声」ってなんだろう,ちょっと考えてみた①入門編

「正しいフォーム」とは

あらゆる行為,例えばラケットを振ったりスパイクを撃ったりシュートを放ったりする走ったりする事において,他人に教わるときに「正しいフォームで」と言われるであろう.
しかしその「正しさ」の評価基準や評価方法はいずこにあるのか,私のこの質問に対して個人が持つ明確な見解を与えてれた指導者は,実際にはその一部であった.
現実においてはそれもその通りで,他人に「正しさ」を提示することにはかなりの責任が伴うから,下手なことなら言わない方が良いと考え慎重に言葉を選ぶのが賢明な指導者の在り方なんだろうなとは思う.

例えば一般的で大衆的なスポーツならばまだわかりやすいだろう,なぜなら多くの場合において(トップリーグの決勝のようなあまりに先鋭化された状況においては話が変わってくるが)基本的には勝つ方が上手く,その上下関係を生み出す上手さを生み出すための最低限の条件も研究が十分になされているし,その内容が「正しさ」を満たす情報として世に教本などの形で出回っている.
そしてもし指導者の質に上下があるとしても依然としてそのスポーツの界隈で研究されている内容はおおむね真実で公平である,本やインターネットを介してそういう正しさの情報に気軽に触れることが出来るのは現代人の特権だろうし,スポーツに携わりながらそれを活用しないのはあまりにもったいない.
ただし単一の情報源のみを鵜呑みにすることは憚られる.当然,様々な情報を摂取し統合的にまとめあげながら,時には自分で実践しその情報を集めて考え,自分にとって何が「正しい」のかを見極める作業が必要だろう.


行為の評価

そんな「正しさ」を追求する上で,先は主にスポーツについて話していたが,スポーツ以外にも「正しいフォーム」というのは存在する.
箸の持ち方,ペンの持ち方,歩き方,座り方,声の出し方,キーボードの打ち方,呼吸のやり方,咀嚼のし方,ピアノの弾き方,ギターの弾き方…まぁ楽器は一種スポーツのような要素はあるかもしれないが,日常生活で無意識下に行われる行動にも「正しいフォーム」を追求すればキリがない上にそういうことを意識しなくても生きてはいける類の行動だってたくさんある.

そう考えると,スポーツにおける「フォーム」が持つ「正しさ」の価値観で,他の動作における「フォーム」が持つ「正しさ」を推し量るというのは,なかなかに危険な行為ではないだろうか.
特にスポーツ経験者であったり論理主義者であったりする人々が日常において陥りがちなのが,「正しさ」に対する間違った執着である.妥協せよという話ではないものの,「正しいフォーム」に対する解を見出す方法を工夫しなければ,最悪の場合であれば何もかもを失ってしまう可能性すらある.

補足するが,この議論のマクロな主題は決して学術的な解法や思考法に値するor関するものではない,しかしミクロな思考においては常に適宜に学術的な情報を取り入れるべきである.今まで労力を割いて知恵を生産してくれた学術者に感謝しながらお目当ての資料を漁って活用するというのが,われわれ凡人ができる学術者への最低限の恩返しではないだろうか?
同時にこれから行われるものはあくまで生活や人生の知恵の一部として補助的に行為を選択するための個々の主観に依存する手順であって,得られる結果をどう扱うかは最終的に自己責任の決定に委ねられる上に,他人から見てそれは異常であると指摘されたりするかもしれないし,そういった指摘を受け入れるか受け入れないかの判断にもまた自己決定が要求される.

以降は,「フォームの正しさ」を推し量るための評価関数たる要素を少し考察してみようと思う.そしてこれら4つの評価関数を上手に活用するためには,先に言った通りの「調べ学習」の熱量と技能が要求されるだろう.
発声に関する話はまだまだ先になってしまうが,お付き合い願いたい…

体の機能を長持ちさせられること?

人間の体は究極的には消耗品であるが,その消耗の無駄を如何に減らし継続的に行為を実践できるようにするか,という観点である.
顕著な例で言えば関節や腱は使い続ければ変形したり消耗したりするし,視力や聴力は筋肉や感覚細胞の疲労や死亡によって機能が低下するし,粘膜だって強い乾燥状態や外来の気体液体への曝露によって傷む.場合によっては不可逆な破壊や機能不全に至ることもあり,そうなってはもう手遅れであり悔やんでも悔やみ切れないだろう.
そういった工夫があまりに杜撰であると若くして労災に至ったり生活習慣病を引き起こしたり,そのまま後遺症が残って死ぬまで苦労する.じゃあ早く死ねば良いのではとか言ってはいけない
医療のおかげで寿命が長くなった現代社会において,健やかに安上がりに老後を過ごすためには体の機能が確保されている方が有利であろう.

変な話,臓器や脳や心理すらも消耗品である.心的外傷や鬱病や依存症は臓器や脳や心理に不可逆的な変化と傷害をもたらす.ラットの実験からも分かる通りそれは脳が持つ機能の一種として発現するし,情緒を複雑化させた人間の宿命としてその変化の自覚や痛みというのは敏感に感じられてしまう.臓器と脳や心理の関連性は今後もっと良く解明されるだろうが,臓器に大規模な問題が発生すればいずれは投薬や外科手術を行わなければならないだろう.
鬱状態の経験者としてもっと言わせてもらえば,世の人間は鬱を少々舐めすぎではないかとすら思っている.TwitterやらのSNSのおかげでそういう人間の声がよく届くようになったとは思うが,人類全体で見れば鬱とは無縁であったり自分は鬱にならないと考えているか,自分は何ら依存症ではないと思い込んでいる人間の方がずっと多い.
幸い私個人は露骨な集団イジメを受けたことがなく集団イジメをした覚えもなく,アルコールもタバコもオクスリも一度たりとも摂取していないが…集団イジメは魂の殺人である・薬物やアルコールやタバコは体を破壊する・犯罪被害者とその遺族は手厚く支援されるべきである,というものは不可逆的破壊がもたらす損失の大きさからすれば至極真っ当な話だと思える.
それでもそうせざるを得ないような人格になったり環境に置かれたりするような人がいるというのは,非常に悲しいことであるが.

そう言えば私が音楽に手を出したのは,脳や心理の消耗を低減しようとしたという側面があるが,ここ2年の経験から得られたものは「作曲もそこそこ辛いんだなぁ」という感想であった.
(なおそれでも鬱状態にある時よりは何万倍もマシである,常に何かしらの進捗が生まれる上に自己表現もできてしまうボーナスステージなので.)

体の構造に対して合理性があること?

人によって体の構造は微妙に異なるうえ,前述の願いが叶わず構造に変形や損傷が発生しているかもしれない.それによって動作の得手不得手という要素が発生し,すなわち動作のフォームは前述の方針に添うべくして個人によって柔軟に変更されるべきである.
もちろんそれだけではなく,骨格や筋肉や内臓のありかたを踏まえた運動の力学を考慮したり,呼吸や心拍や代謝の機能を最大限に引き上げたりすることもまた歓迎されるべき努力の一つだ.
そしてその合理性を引き上げたければ.つまるところ柔軟や筋トレといった肉体の鍛錬が必要になる.そういう意味ではなんだって極めれば「スポーツ」になり得るのだろう.

パフォーマンスとしての評価が高いこと?

パフォーマンスの評価方法はモノによりけりだが,評価が高くなればそれに越した事はない,すなわちそのために正しいフォームを目指すというのは当然の考え方ではないだろうか.
もちろんどうしようもない個人差やそれにまつわる限界が存在するのは否応ない事実であるが,せっかく湧いてきた前向きな向上心を絶やすのはおおよそもったいない…

楽しいこと?

もちろん自分がやってて楽しくなければ意味がない.
例えばもし人類の到達点や極限値を目指すのであればそれは多大な苦痛が降りかかるだろうが,レクリエーションの類であっても競技の類であってもまずは心身ともに良い効果を得ることが大前提である.ただし身を粉にして表現する芸術もあるという見方をすれば,これは間違いなくただの甘い妄言だろう.

まとめ

  • 維持性
  • 合理性
  • パフォーマンス性
  • 楽しさ

最低でもこの程度の評価基準があるべきだと考えている.


「発声」という行為

先の四点の評価関数を用いる前に,「発声」という行為をどう捉えれば良いのかを整理しなければならない.
端的に言えば,声を出すという行為は人間にとってひどく原始的な行為であるのにも関わらず,それを向上させるには才能と努力を慎重かつ多大に投資しなければならないわけだが,それには以下のような理由があると考えられる.

大前提

もし発声や咽頭喉頭周りに関して重大で深刻な悩みがあるのであれば,専門の医療機関の医師の元で受診し,専門の資格持ちの先生に指導されるべきである,というか必ず絶対にそうして欲しい.
後述するが咽頭喉頭周りは繊細かつ複雑であり,そもそも素人が好き勝手に弄くり回して良い器官では決してないし,その上で発生は個人による癖がかなり付きやすい行為なので,悪化が始まると止める事は難しく取り返しがつかない状況になるリスクがある
もしくは問題の原因が出血,結節,肉腫,癌,もしくは心理的不安定等にある可能性もあり,それらに早く気づき治療を行う事は結果的に声を長持ちさせる事に繋がる.
最も大事なのは発声機能の保持であるので,発声機能そのものになんらかの問題を感じたら早急にSOSを出そう.

ちなみに歌手や声優やアナウンサー等の声で仕事を行う職人はよくクリニックに通っているらしい.もちろんメンテナンスや問題発生時の治療という側面もあるが,それがなくても自分の喉のことを追求するためにクリニックを訪問することすらあると…
実を言うと私も自分の喉を究明するべく一度は行ってみたいとは思っているが,こうもコロナの問題があると深刻な問題があるわけでもないのにリスクを取って外に出る事そのものが憚られてしまう…まぁしょうがないね…

発声はだいたい不随意運動であるということ

例えば声帯に直接関連する筋肉の多くは不随意筋なので,人間の発声は基本的に不随意運動であり,このせいで一般的なスポーツと同様に映像を見て発生を真似るというような行為は普通の人間には到底できない.
合理性の枠を引き上げるには一部の随意筋の動作をコントロールしつつ全体的に筋トレをかけてフォームを徐々に改善するしかなく,これに失敗するということはすなわち筋肉を痛めることになる.
そもそも随意筋であればコントロールできると言うわけでもなく,分類上は随意筋であってもコントロールが難しいものや,訓練しなければ意識して動かせないものだってある.

咽頭の構造が複雑であるということ

また咽頭は嚥下と呼吸が交互に行われる区間でもあり,そのために常に不随意筋が複雑に連動して動いている,私としては正直に言ってこれこそ人間の重大な欠陥構造の一つであると言いたいが…そういう意味では発声練習を行う事で咽頭の衰えを予防し誤嚥の予防や誤嚥時の悪化リスクの低減が期待できる.
つまるところこのような分野の研究はまさに医学や医術の舞台であり,発声とは直接の関連がなさそうに見えたとしてもそういう知識というのは持っていて損はないと思っている.

喉頭や口腔や鼻腔の響きが絡んでくるということ

声帯の振動によって原音を生むだけではなく,喉頭や口腔や鼻腔でその音を反響させる事で倍音特性を生み出し,ようやく人間の声が完成する.今まで喉頭の機能をメインに据えて話してきたが,喉頭だけではなく口腔の動きもまた重要であり,声質に限らず発音の良し悪しをも左右する.
つまり発声というのは複数の器官が緊密に正確に動いてようやく成し遂げらる非常に高度な動作である,そしてこれを鍛えるという行為が容易い事ではないのは一目瞭然であろう.

そもそもパーツが小さいということ

喉頭は全体的に小さい,声帯なんか女性で1.5cm男性で2cmほどしかないし,それに付随する筋肉もそれと同等の大きさである.
こんな小さな筋肉を不随意運動させ,それでいて強弱や音程や声質変えたりできるというあたり,人類が発声のためにどれほどの進化を繰り広げどれほどの情報リソースを割いて活動してきたか,察するのは簡単である.

パーツの形状に依存しているということ

喉頭咽頭はいくつかの軟骨でも構成されている,俗に言う喉仏とはその一種であるが,そういった軟骨の形は個人差がありまた決して楽に変えられるモノでもない.発声障害の改善や性転換に伴う高音化のためにメスを入れる事はある(そういう事を行う医療機関がある)が,プレートやケーブルを組み込んだり絶対安静の期間があったり抜糸に伴う再手術の必要があったり,決してハードルが低いわけではない.
同様に声帯やその周囲の筋肉も形状そのものを変える事は難しく,声の質は生まれつき決まっており変えるのはひどく大変である.口腔や鼻腔だって同じで,舌筋や表情筋や咽頭蓋や軟口蓋といった多数の要素が同時に作用している.
その点,声真似というか声帯模写は本当に凄いことをやっていて,そう言ったあらゆるパーツの配置を繊細に変えながら発声しているのである.私は声真似が全くできないが,声真似上手は歌が上手いとも言われたりするので,声真似にチャレンジしてみるのも良いかもしれない.
しかし本音を言えば,そういう性質や限界を適切に知った上で妥協点を設定することが,失敗しにくい効果的なトレーニングに繋がるのではないかなぁと…自分の声を受け入れるのもまた鍛錬の一つではないだろうか.

体全体が絡んでくるということ

声帯を振動させるのは息の流れであるが,その息をコントロールするのは肺であり,さらに肺の動きをコントロールするのは胸腔と腹腔の圧力差(俗に言う腹圧)であり,その腹圧を高めるためには胸筋腹筋背筋インナーマッスル等々が絡んでおり,最終的にその動作を決めるのは骨格の形状と身体の栄養状態である.
もし本気で発声するならば,まずはそういった要素を鑑みて自分の体質から変えていかなければならない.発声の鍛錬においてボディービルディングに通じる要素は数多あり,極めるならばやはり身体のトレーニングは避けられない問題だろう.

参考資料

発声練習,俗に言うボイトレをする前にこそ,まずは声に関する資料を読むべきである.インターネット大公開時代の今,多くの学術資料に無料でアクセスできてしまう,これを利用しない手はないだろう.
と言うことで,良さそうなものを以下に並べてみる.(随時に追記する.)

  • 喉頭解剖の基本
    • イラスト付きでよくわかる
    • イメージを掴むためにまず最初に読むべき
  • 喉頭の基礎知識
    • 神経支配についても書かれている
    • そう言えば「咽頭」は「口腔・鼻腔から気管・食道の分岐点」で「喉頭」は「喉仏のあたり」を指すので覚えておこう
  • 甲状被裂筋の組成から考える声帯の動き
    • 声帯の閉鎖に関わる内咽頭筋は,輪状甲状筋,後輪状披裂筋,外側輪状披裂筋,横披裂筋,披裂喉頭蓋筋,甲状披裂筋の6つである
    • 甲状被裂筋とは声帯靭帯に直接的に働きかける不随意筋である
    • その性質を年齢や性別ごとに追跡してみたというお話
    • 御遺体から声帯の筋肉を採取して断面を観察した
    • 実は組成や質には性差や年齢差が少なかった
  • 内咽頭筋の働きと声門の形状の観察
    • どうやって咽頭で声が発生しているかを観察する
    • 御遺体から声帯部位を切り取り,内咽頭筋による力と類似する力を外力として加え,どのように変形するのかを調査した
    • 完全に脱力した位置(屍位って呼ぶらしい)を基準にして形状を測定
    • やっぱり個人差や性差があったりした
    • 6つの内咽頭筋の動作について詳細に書かれているので読む価値はとても高いと思う
  • 声帯振動の基礎
    • 実際に声帯が振動する物理的な現象に関する解説
    • 咽頭内部のフォルマントも取り扱う
    • 地味の地声や裏声の原理にも言及がある
    • 声帯の物性.咽頭軟骨の運動,輪状甲状筋の働きに関しては知っておいた方がいい
  • 呼吸機能,横隔膜,体幹の関係
    • どんな筋肉を使うのかイラスト付きでわかりやすく解説
    • 運動力学チックではあるが…
  • 解剖詳細名鑑
    • えっコレをタダで見ていいんですか!?ってレベルですごい
    • 無断転載されてる画像をチェックするとここのものだったというケースが多発している
    • 内容がガッチガチの解剖学っぽいだけに恐れ入るんですが,もし何かわからないことがあれば最終的にコレを見るのが最適解だと思われます
  • 音声外科入門
    • 手術前にこれを読んどけと言えるレベルの詳細さを誇る
    • マイナーな知識もあって読んでて楽しい
    • 下手な知識に惑わされるくらいならこれを頼ってくれ…
  • 医学ガチ勢の方による手記
    • 阪大医学部卒の開業医(既に引退済み)の御方による手記
    • 歌声の発生に関する基礎的なことはほぼ全てを網羅されている
    • 参考文献数があまりにガチな上に執筆姿勢もあまりにガチなので,これを見つけた瞬間にこの記事の続きの匙を投げようかと思ったレベル
      • でも抱いた感想が私と同じだったのでなんか親近感が勝手に湧いた
    • 1996年開設の個人ブログなので存在そのものが貴重(確信)

まとめ

  • 異常を感じたら素直に医療にSOS
  • 発声はとにかく繊細で複雑で難解
  • 本気でやるならまず体づくりから
  • それでも自分が生まれ持った声をある程度に受け入れる器量は必要
  • 試しに資料は読んでみよう,発声に対する熱意があるならスラスラ読めるはずだやだちょっとこれアカハラみたいじゃん

「発声」へのアプローチ

以上の内容を全て踏まえて,どのように発声に対してアプローチを行うべきかをまとめてみる.

維持性

  • まずは障害の回避を第一に心がける
    • もし障害に見舞われたら医療にSOSを出す
  • 適度に発生を鍛えることで発声の機能に限らず健康の維持にもつながる
  • 結局のところ専門家による指導がやはり望ましい
    • 自分でやった時に,悪いくせ
  • それでも体が消耗品である事は常に頭に入れておく
  • 酒とタバコは控えような?頼むから
  • それでも身を粉にして表現することを目指すならもはや維持性は問いません,思う存分に体をぶっ壊しながら自己を表現してください

合理性

  • 生まれ持った形質に対してはある程度の妥協点を見出す
  • 決して維持性を阻害しない
  • もしやるなら体づくりから考えなければ,良い声の土台は作れない
  • 体の器官の機能と相互作用を知っておく
    • 随意運動か不随意運動か,どのパーツが動くのか,etc…
    • 骨,軟骨,靭帯の機能も地味に大事
  • 目的や理想をあらかじめ見出しておく
    • どこをどう鍛えたいかを考える
    • そして維持性と相談すること,無謀な結果を得ようとはしないこと

パフォーマンス性

  • 十分に体を動かす機会を設ける
    • 代謝が上がればエネルギー供給環境も増えて運動状態が向上する
    • 持久力が上がれば長時間の歌唱や談話が楽になる
  • 適度な声量で喋ったり歌ったりする機会を増やす
    • どんなパーツも使わなければ育たないのは事実
    • 今まで物静かだった人でも鍛え始めれば改善される
  • 感情豊かに発声する

楽しさ

  • やはり表情や声色の種類を豊かにすることで発声の鍛錬にもつながる
  • 下手さを気にしてはいけない
    • 下手さを嘲笑う奴は私が許さない,というかみんな許さないで欲しい
    • 不器用かどうかはまずやってみなければわからない
      • むしろ不随意筋のトレーニングって器用さがあまり関係しないので
    • 能力に個人差こそあれ,誰だって初心者からのスタート
  • でも 調子に乗って使わない部位をいきなり使い潰すのはやめよう

次回②

まずは内喉頭筋について扱いたいと思うが・・・

#LogicProX #Ultrabeat で致命的なバグに遭遇 (未解決)

サンプラー機能が死んだ

サンプルファイルがことごとくMissing...される.
そしてコンテンツのダウンロードを要求されるが,それをインストールしても解決しない.
ちょっと意味がわからない…

原因推測

心当たる節がない
音源ライブラリの再インストールも効果なし.

音源ファイル自体は存在しているが…

状況

サウンドライブラリの場所

外付けSSD

お亡くなりになった音源

UltraBeat以外は今のところいけるようです,UltraBeatの設定ファイルの読み込みに不具合が起きているかも

【 #LogicProX 】オートメーションもスナップとキーコマンドで生産性アップだ

Logicのオートメーションが雑魚だって?

そんなことはない,最低限の機能は確かに存在する (見やすかったり使いやすかったりするとは言ってない)

ついこの間まで知りませんでしたいろいろいじったらなんかできたのでメモ

この記事を読んでできるようになること

  • ストレスフリーに拍ぴったりにオートメーションの編集
  • そのままストレスフリーに直角を含むオートメーションの生成
  • おまけ1
    • スナップとタイムスライス
    • お気軽にスイング打ち
  • おまけ2
    • ドラッグの範囲選択もスナップできる
    • それに加えてタイムハンドルもスナップできる
      • この機能知ってる人少なさそう
      • 要するにノーツの操作の自由度が超絶高くなる

オートメーションのスナップ

設定

  • ピアノロールエディタを開く
  • 「スナップ:」の右側の欄をクリック
  • なんか出てくるので画像のように設定する スクリーンショット 2020-04-25 17.37.56.png

解説

  • 「スナップオートメーション」の欄のみ関わってくる
    • コレ以外の機能はオートメーションでは使わない
      • 通常の「スナップ」はMIDIノーツが対象なので・・・
    • デフォルトではMIDIノーツへのスナップはオンになっている
      • つまりオートメーションのスナップはオフになっている
  • スナップ幅は自由に設定できる
    • 今回のスクショは1/16です
    • 必要があれば1/24とか1/32でやろう

キーコマンド

注意

  • これらはショートカットではないので自分好みの変更はできません
  • 先の設定を済ませた場合の挙動ですよ

クリック

  • 1つだけ打点
  • 動かすとその1つが移動 スクリーンショット 2020-04-25 17.54.56.png

cmd⌘+クリック

  • 1つだけ打点
  • 動かすと動かした先で止まるまで打点し続ける
    • 書き終わるまでが1回分の動作なんで,「戻る」をやると全部消えます スクリーンショット 2020-04-25 17.55.09.png

cmd⌘+optn⌥+クリック

  • 3つ打点する
    • スナップで指定された間隔分の凸凹が生成される
      • オートメーションスナップ未定義だと何が起きるかは知りません
    • 要するに直角オートメーションを生成できる技
  • 動かすと動かした先で止まるまで打点し続ける
    • 階段が出来上がる
    • 書き終わるまでが1回分の動作なんで,「戻る」をやると全部消えます スクリーンショット 2020-04-25 17.55.25.png

cmd⌘+optn⌥+ctrl⌃+クリック

  • 未解明です
  • しかもこれに数字(0~9)を打つショートカット用のキーコマンドがあるっぽいのでやめた方がいいです
    • キーコマンドの言語設定にもよると思いますけど・・・
  • 挙動はcmd⌘+optn⌥+クリックと同じ

スナップ座標の算出について

  • 使用リージョンを基準に計算している
    • リージョンの最初が開始点になっている
    • 例えば1/8ずらしたリージョンで1/4のスナップをすると,以下のように実の拍からはズレる スクリーンショット 2020-04-25 18.12.18.png
  • でも手動でズラすと実の拍が基準になる
    • こういうことが起きると面倒なのでスナップ幅はなるべく狭くしましょう
    • スナップ幅<リージョンズレ幅なら問題ないです スクリーンショット 2020-04-25 18.16.35.png
  • ちなみに3連符系でも同じ計算が行われます

既存のオートメーションのタイムクオンタイズは?

できないっぽいですね 既に打っちゃった点はスナップをオンにして1個1個を目標の位置までずらしてください もし方法あったら教えてください(本音)

タイムスライス変更してスイング打ち

設定

  • ここの設定を開く スクリーンショット 2020-04-25 18.22.32.png

  • LCD」の「拍子/ディヴィジョン」をオンにする スクリーンショット 2020-04-25 18.21.08.png

  • 「/16」を「/12」にしてみる スクリーンショット 2020-04-25 18.23.11.png

    • 見ろ,ピアノロールのタイムスライスの数が1/12になったぞ スクリーンショット 2020-04-25 18.23.22.png
  • MIDIノーツのスナップ設定は必ず「スマート」にしておこう スクリーンショット 2020-04-25 18.25.20.png

    • この状態だとタイムスライスの表示に勝手に合わせてくれるので楽
    • 任意の拍を設定すると書きで指定できるっちゃできる
      • 1/24を表示しながら1/32を打ちたい時とかに使えばいいんじゃないですかね

スイング打ちしてみる

  • まぁ適当にやってみてください
  • 割と簡単にスイングになると思います
    • タイムクオンタイズのスイング強度の話は割愛します,難しいので

ハイレベルな選択範囲系のスナップ操作

設定

  • 「機能」から「タイムハンドル」をオンにする スクリーンショット 2020-04-25 18.38.20.png
    • TouchBarつきのMacBookPro勢はcmd⌘+optn⌥+ctrl⌃を押すとTouchBarの左端に「タイムハンドル・・・」という表示が出てくるのでそれを押してもOK
      • ここで先のキーコマンドの伏線回収です
    • 要らなくなったら機能を切れば元に戻ります
  • 先のタイムスナップ機能をオンにする
  • タイムハンドルにはMIDIノーツと同じスナップ方法が与えられます

レッツ・タイムハンドル

  • そのまま範囲選択をするとなんか青いバーが両サイドに出てくる スクリーンショット 2020-04-25 18.41.35.png
  • バーの上につまみを弄るとその範囲内のノーツが正確に拡大・縮小される
    • 長さだけでなく開始・終了の座標も変化する
  • 動いていないつまみが基準位置になるので,前にも後ろにも自由に拡大縮小ができる スクリーンショット 2020-04-25 18.42.42.png
  • バーの横を弄るとバー自身の位置が変化する
    • あとからバーを広げても選択範囲をは広がらない,1回目のドラッグでのみ範囲選択ができる
    • なので以下のような光景が発生する,Shift⇧押しながらノーツをクリックしてあげよう
  • ちなみに2本のバーの外側にあるノーツの挙動もちゃんと定義されていますので安心してください
  • 上手くやれば「左バーを右に」「右バーを左に」で平行移動もできる,想定上の使い方ではない気もするが
    • スクリーンショット 2020-04-25 18.52.06.png
    • スクリーンショット 2020-04-25 18.52.17.png
    • スクリーンショット 2020-04-25 18.52.23.png

感想

いかがでしたか? これでもまだオートメーションが使いにくいと思ったらLogicに文句を言っても良いと思います 他のDAWとか知らないけど実際Appleのドキュメント力やアナウンス力は不足していると思うのでこうやって激アツの記事を書いてやろうと思いました,今までの苦労はなんだったんだろうなぁ(遠い目)

【 #LogicProX 】 #DrumMachineDesigner ってなんだ?

久々にDTMした

  • なんか知らん音源が増えてた
  • ついでに試しにKontakt Playerとか無料音源をブチ込んでみた
    • 結局使ってねぇけどな
      • 拡大できない系の音源は見にくい
      • なんか使用時間の制限があるっぽい
    • Serumのシンセってすごいんですか?🤔
  • スクリーンショット 2020-07-04 16.26.12.png サンプラー関係を全て外付けにぶち込むとこんな感じになる
    • ちなみに.componentファイルはMac本体にしか入れられないので注意
    • .componentは音源プログラムの本体だゾ
  • Catalinaになってセキュリティがますます厳しくなったので弾かれる.componentファイルがあった
    • インストール.pkgでインストールできない.componentは高確率で使えないゾ
    • サンプルファイルだけなら他のサンプラーで使えるので取って損はない

Logicくんの最近の新しい音源

  • Sampler

    • EXS24のリフレッシュ版
    • UIがクソわかりやすくなった
    • 動作も良くなった
    • 地味に最大モジュレーション経路とモジュレーションソースが増えた
  • Quick Sampler

    • 「Q-Sampler」と表示される
    • 1トラックに音ファイル1個を素早く突っ込める
      • 逆に複数のファイルは扱えない
    • Sampler(旧EXS24)みたいな面倒な設定が不要
      • その代わりに複雑なモジュレーションは無理っぽい
    • DrumKitDesignerに必要な鍵
  • Drum Synth

    • 叩き系の音には使える
      • 効果の掛け方とかすっごくわかりやすいので初心者は一度は使うべき
      • ドラムンベース的な感じにもなるっぽいよ
      • 音の幅がかなり広いのは強い
    • シンバルの類の音は・・・ナオキです・・・
      • 生音系がいいなら素直にサンプルファイル使った方がいいよ(ボソッ)
    • 1トラックで1音が原則
      • キートラッキングで音程変えられるらしいけどシンセタム以外で使うのはやめた方がいい
      • サンプラーとかマルチ音源では断じてない

DrumMachineDesigner ってなんだ

クッソ簡単に言うと

  • パッチを展開して多種多数のプラグインを一括して操作できるツール
  • 音源ではなく音源管理ツール
  • なんでむしろLogicというソフトウェアの一部と言った方がいい
  • 表記は「DMD

コイツのできる技は,

複数トラックのグループ化はもちろん,

  • スクリーンショット 2020-07-04 16.46.36.png
  • スクリーンショット 2020-07-04 16.49.40.png
    • 出力がメインのトラックに集まる
    • なので一斉ミュートや音量調節もできる

ノーツの振り分け

  • スクリーンショット 2020-07-04 16.47.12.png
    • メインのトラックにブチ込んだMIDIノートが仕分けられる
    • MIDICCは多分仕分けされないと思うんですね

GUIを介した各音源の操作,それから・・・

  • スクリーンショット 2020-07-04 16.53.02.png
    • いちいちプラグインの窓を開きにいかなくて済むって,勲章ですよこれ

Exclusiveの設定も,

  • スクリーンショット 2020-07-04 16.54.31.png
    • 同時になって欲しくない音を8グループまで設定できるゾ

ノーツの読み替えも,

  • スクリーンショット 2020-07-04 16.56.20.png
    • Apple「音源によっては都合が合わんだろう?」

ユーザー次第では出来るかもしれませんよ!?

  • スクリーンショット 2020-07-04 16.58.10.png
    • 性能が許すなら最大で48個まで自由に登録できる

真面目な話なんでこれを使えると嬉しいか

パッチとして保存できる

  • チャンネルストリップ設定だと複数のストリップややそのルーティング設定は保存できない
  • パッチ機能を使ってなかった人にパッチ機能を宣伝できる
    • いままでほぼ使ってませんでした・・・(小声)

パッチの操作GUIとして画期的

  • 配下の音源を直接的に操作できるので操作コストが減らせる
  • キーごとの単音ファイル前提なので管理もしやすい

クッソ楽なMIDIルーティングを設定できる

  • MIDIFXMIDIエンバイロメントもいらねぇんだよ!
  • 学習コストが大幅にダウン!やったね

単音ファイルの扱いが楽になった

  • これとの組み合わせによって気軽にサンプル設定が行える
  • 音源の使い分けができるから向き不向きを考えられる
  • ジャンルのいいとこ取りができる!
    • UltraBeatでも似たような事ができたけどクソ面倒なんでこっちの方がいいです

DrumMachineDesignerの使い方

呼び出す

スクリーンショット 2020-07-04 17.20.40.png

開く

スクリーンショット 2020-07-04 17.20.53.png

  • 最初は空のパッチが出てくるはず

「+」を押す

スクリーンショット 2020-07-04 17.22.23.png

  • 「Inst 〇〇」が追加されてるはず
  • 中左下のC♯1は入力側のキー,右側はGM音源の設定基準
    • GM音源の設定基準なんでそこは書き換えられないっぽい
    • ドラッグで配置を替えられるっぽいよ,慣れないうちはやめておこうね

トラックを開く

スクリーンショット 2020-07-04 17.26.42.png

  • 下矢印で展開できるよ
  • トラック側の名を変えるとDrumMachineDesignerで表示される名前も変わる

音源をぶち込み設定する

スクリーンショット 2020-07-04 17.28.30.png

  • インストゥルメントを押して使いたい音源プラグインを設定しよう

Exclusiveを設定

スクリーンショット 2020-07-04 17.48.45.png

  • 注意
    • この機能によって行われる強制ミュートは各音源の内部設定よりも強い
    • 絶対に確実に止まるので「この音が過ぎたら再び鳴り出す」なんてことはありえない
    • 内部の音声ルーティングを閉じるではなく各音源に直接止めろと命令している
      • スクリーンショット 2020-07-04 17.56.11.png 内部信号をみるとこんな感じ
      • チャンネル番号+120の命令はオールサウンドオフで音源の音を問答無用で止める
      • でもMIDI規格だと3バイト目って0のはず,なんで127・・・?

おま○け Quick Samplerの使い方

ドラムシンセはわかりやすいと思うんで省略ゥ!!

Load Audio File

スクリーンショット 2020-07-04 17.30.01.png

選んで読み込む

スクリーンショット 2020-07-04 17.31.12.png

  • ぶっちゃけなんでもいい
  • 「Optimized」を選んだ方がいいと思います,コイツは勝手に切り取ってくれます

「ONE SHOT」に変更

スクリーンショット 2020-07-04 17.33.22.png

  • 打楽器ならこれでよし

もしもループさせたいなら

スクリーンショット 2020-07-04 17.36.46.png

  • こんな感じでいいんじゃない?
  • スネアロール(ドゥルルルルってやつ)だとこれで無限再生ができる
    • ループ機能があってキーオフに従うのがCLASSIC,それらを一切しないのがONE SHOT

(DMD側)キーの読み替えを設定する

スクリーンショット 2020-07-04 17.42.36.png

  • Q-Samplerの「Root Key」とDMDの「Output」を揃える
    • たぶん勝手に揃えてくれると思うけど・・・
    • サンプラー音源を使うならいずれも要確認
      • Root KeyはだいたいC3に設定される気がするけど

おま○け2 なんだこれ

スクリーンショット 2020-07-04 18.17.32.png iPadGarageBandみたいな機能がついてる・・・(ドン引き) 紹介したくなったら書く(投げやり)

#traPSoundTeam #サウンド体験会 2020 by Soluna_Eureka

あいさつ

みなさんよくぞオンラインの会場にわざわざお越しくださいました! いや〜すっごく嬉しいです 頑張ってお話しするので楽しんでいってください というよりもまずはこの記事を読んでくださってありがとうございます ちょっとでもお役に立てれば光栄です


自己紹介

ハンネはSoluna_Eureka(実名は伏せる),男(暫定) 1年くらい班長として色々とやってきました 一応トラック作りはちゃんとしているつもりです実はテクネにもいるしたまに絵も描くらしい SoundCloudYouTubeNicoVideoPixivQiitaはてブロに生息しています


自己紹介

  • 平凡な幼稚園・小学・中学で普通に育ってきた
  • 高校は筑附でのんびり生きていたが色々あって心体を共にブチ壊しガチな鬱に陥り人格が歪む
    • そのせいで卒業すら危うかったですね
  • 卒業後に1年間のんびり自分で学び直しをしていたらなぜか東工大に来てしまった
  • その時traP(とテクネ)に転がり込んで今に至る

環境

ハードウェア

  • MBP2016 15インチ(あまり強くない)
    • CPU4コアRAM16GBです
      • DTM向けPCはコレくらいないとキツいと思うのでつよつよPCを用意しましょう
      • 正直に言ってRAMパワーとCPUパワーは全てを解決すると思います(断言)
        • 買わない後悔よりも買う後悔
        • 買ったなら使いこなせば良い
    • 買ったのは2018年5月あたり
    • 今度iMac(2020年モデル)(強め)を買いたい
    • ついでにオーディオ周りもしっかりしたい
    • サブモニターとミニペンタブも使用

環境

ソフトウェア

  • Logic Pro (X)
    • GarageBandは使用開始後3ヶ月で辞めた
      • さっさとLogicに乗り換えたほうがいい
        • 作曲にしろトラックメイクにしろ何にしろGarageBandは力不足です
      • 乗り換え先は他のDAWでも全く構わないんですけどGarageBandを使い続けることだけは本当にダメです
        • でもLogicだと私がヘルプ出来るかもしれないのでご検討を・・・
      • そしてLogic買うくらいならついでにPro Appを全て揃え欲しいです
        • Logic単体の正規価格よりも5種Pro Appバンドルの学生価格の方が安い
        • 映像や音声のエンコード作業や簡単な動画編集も出来るような人が他にいてくれると非常に嬉しいです
          • (ここ1年のサウンド班関係の動画は私が作っています,そろそろ他の人にバトンタッチしたいな〜)
    • Logicなら基礎中の基礎の使い方(と言うよりかはワークフロー)を紹介しているので,最初に詰んだ時にちょっと参考にして欲しい
      • このシリーズの続きはいつか書きます

環境

バイス

  • Casioの電子ピアノキーボード(趣味や音取りや採譜で弾くだけ,トラックメイクには使わない)
  • アコギやハーモニカを演奏する(下手)
  • 歌う(下手)と言うよりも歌いたい(願望)
    • 声は父側の遺伝で喉は母側の遺伝らしい
    • 1人でカラオケ行くとストレス発散も兼ねて4時間ほど修羅のボイトレをしています
      • コロナのせいでカラオケに行けない
    • 発声が可能な音域ですか?Mid1A(A2)(110Hz)~hihiA(A5)(880Hz)くらいですかねぇ
      • 楽というか推奨の音域はMid1B~hiCです
      • 上の方のキーだと当然歌声がシャウトとかになってきます,発声可能音域をそのまんまボーカロイドの音域みたいに捉えるのはおやめ下さいませ・・・
    • 滑舌は良くないので頑張って鍛えています
  • リアルにドラムを叩いたことがある(下手)
    • なお現物は所有していない
  • リアルにエレキを弾いたことがある(下手)
    • なお現物は(ry

履歴(読み飛ばして良いよ)

  • 幼稚園
    • クソヘタクソな鼻歌を繰り返していた
    • 先生が弾くピアノをなぜか先生にだけ懐いている変な生き物だと思っていた
    • おゆうぎ会で扱った曲を今でも覚えている
    • 既にオタクの才覚を見せていた・・・?

履歴(読み飛ばして良いよ)

  • 小学生
    • 鍵盤ハーモニカでよく暇を潰していた
      • リコーダーは苦手ではないが嫌いだった
      • 楽譜を買うことはないが授業で配布された市販曲の楽譜を貯めては弾いていた
    • ピアノに超絶強い恐怖心を抱いていた
      • 号泣しながらピアノを練習している知人を目撃してしまったため
      • このせいで「嫌々に楽器を習うのはクソ」という思想を抱き続けている
    • そして祖父母の家にあるエレクトーンにも恐怖心を抱いていた
      • クソデカい(当時の体格比)電子楽器という概念が全く理解できなかった
    • バスケ部
      • 顧問と一悶着あって男子部員の全員がキレて男子バスケ部をその代で廃部させた
    • 一時期は水泳を習っていたので水泳は好き

履歴(読み飛ばして良いよ)

  • 中学生
    • この時期は楽器には触らなくなった
    • その当時に付き合っていた人に勧められボカロという概念を知る
      • 残念ながらこの時点ではまだ作曲街道に入らなかった,入っておけばよかった
      • その延長線上でアニソンを知る
    • 合唱コンや応援団や学内選挙で口上を作ったりでむしろ文章を書いていた
      • この頃が人生で最も語彙力が高かった
    • 絵で入選することがあった
      • ただし構図はまだ良かったものの当時から色塗りは雑魚,絵具が嫌いだった
    • テニス部
      • これでもレギュラーメンツだった
    • この一生を左右してくる友人と出逢う
      • 彼には高校でもお世話になりました
      • 今の生活の中身の9割以上がそいつの影響を受けているので完全に片方向の依存

履歴(読み飛ばして良いよ)

  • 高校
    • 独学でピアノを始め音楽室に入り浸る
      • 例の友人が弾く姿を見てやろうと思った
      • 音楽理論の教科書を借りて弾きまくった
      • ついでに耳コピも始めてそれまでの思い出の曲を片っ端から採譜しては弾いた
      • 正直に言うと完全に独学であるが故にクラシックピアノはマジで何もわからないしリアル演奏技術も譜面作成技術も完全に自分の感性に依存しているタイプ
    • 独学でアコギも借りて弾いてみる
      • 某東大王鈴○光がよくアコギを弾いてたので真似してやってみた
      • アコギは色々あって親類から譲り受けた
    • スマホGarageBandにハマる
      • iWriteMusicなるアプリにもハマる
      • 作曲街道はここから始まった
    • バンドを体験しその辛さを味わった
      • この時点で一応は自作の曲が完成するようにはなり始めていた
      • ボーカルとしてのあまりの雑魚さを痛感し自主トレを始めて今に至る
        • ある時に急に音域が上に伸び始めた
        • でも中々に体力がつかないんだよな
      • エレキに初めて触れて弾いて感動した
      • ベースという存在を初めて知った
      • 軽音部の知人のツテで初めてドラムにも触れたり,曲を買い漁る行為を始めた
    • バレー部
      • 色々あって途中で心体を壊し隠居した

履歴(読み飛ばして良いよ)

  • 大学
    • 様々な媒体を見れば私が今まで何をしてきたかわかると思いますのでそこら辺は各自でよろしくお願いします(投げやり)
    • 基本的に2018年は作曲にのみ注力した
    • 音作りは2019年3月あたりから意識した
    • ミックスは2019年8月あたりから意識した
      • 2019秋M3にはtraPで2曲提供
      • 2020春M3はテクネでジャケを担当
      • traPの2020新歓コンピで2曲提供
    • 公募?やってみたいけど乗り気になれるかどうかあまりに気分次第すぎて・・・

バンドサウンド


バンドサウンド

トラックメイクを紹介をする分野として,わたくし今回はバンドサウンドを担当させて頂きます でもお前さっき高校の時にバンドやって痛い目を見たとか言ってたよなバンドサウンド,好きです新歓コンピの1曲目はバリバリのシンセサウンドだったけどなバンドサウンド,絶対に楽しいですよ なんだかんだ言ってバンドって楽しいはずですもん・・・そしてバン○リって偉大ですわ,バンドコンテンツという名前を提げて大ヒットですもん

じゃむ.jpg びーず.jpg ふらんぷーる.jpeg べがす.jpg ぺにしりん.jpg ぽぴぱ.jpg ぽるぐら.jpg りべりおん.jpg

ガルパの推しですか?公式設定がガチプロのトラックメイカー兼DJで財閥のお嬢様に惚れられている奥沢美咲プロとmskkとksarですが・・・ (実際のトラックだと私はポピパB面とロゼリアA面にハマる傾向があるらしいです)


定義


定義

  • 演奏が比較的に少人数で行われる
    • 1人や2人でもないし大集団でもないよ
    • 4人〜8人がイメージ的には良いよね
  • ドラムもしくはそれに準ずる打楽器がある
    • タンバリンとかカホンとかでも良いよね
  • 何らかのギターベースを用いている
    • いずれもシンセとかで代用するとなるとバンドサウンドとは言い難くなるかも
  • 現代的で一般的な音楽理論や音楽構成を用いる
    • 音楽の発展と共に多彩化したため諸説あり
  • なるべくボーカルやそれに準ずるリード楽器があり,更にそれを盛り立てるための脇役がいる
    • サウンドトラックだとしてもそういう関係せ性はなるべくに欲しいところ
    • やっぱり何を聴かせたいのかが分かりやすいと聴く方としても良いよね
      • 途中で起きる役割の交代は全然アリ
  • 他分野の楽曲をバンドサウンドとしてカバーして出来たようなトラックも含まれる
    • カノンロックとか有名だしクラシック音楽でも著名なフレーズはよく採用され(パクられ)がちだし現に何回かパクったことがある
      • 「カノン」はあくまで様式名であって特定の曲名ではないって知ってました?
      • 私は2019秋M3の時の1曲目でG線上のアリアの旋律を引用させていただきました
    • そもそも現代の音楽理論のルーツはほとんどが近代のクラシックに帰結しちゃうので,やっぱりどの分野であってもクラシックの考え方が使えないわけがないんだよな(それが喜ばれるかどうかは置いといて)

定義(実際のところ)

  • 演奏に限らずトラックメイクの方法によっても分類される時があるので何とも言えない
  • そして純粋にバンドサウンドの中でも色々と分化し続けているので最早キリがないとも言える
  • (ジャンル警察に怒られそうだけど色々と書き出してみます,意見は順次に受け付けております)
    • ヘビーメタル
    • ハードメタル
    • ロディックコア
      • 最近の邦楽ロックはこれが流行りか
    • ラウドロック
      • 個人的には1番に聴いてて楽しい
      • ベガスの当たりトラックは最強
    • ハードロック
    • プログレッシブロック
      • 池袋で流行ってそう(偏見)
      • 池袋は筑附生の溜まり場でしたね
    • ゴシックメタル
    • パンクロック
    • ポップパンク
    • アメリカンロック
    • ロックンロール
      • ロキロキのロックンロール
      • コレ言うほどロックンロールなのか
    • ラテンロック
    • ブリティッシュロック
    • クラシックロック
    • ゴシックロック
    • バラードロック
      • 王道バラードもいいですよねコレ
    • ジャズロック
    • ラテンジャズ
      • ジャズ全体にも言えるけどあまりに音楽的に複雑すぎて私はついていけなかった
      • 聴いて楽しめる人は恐らくセンスでいけるタチなのでチャレンジしてみて下さい
    • パンクジャズ
    • スイングジャズ
    • クラブジャズ
    • モダンジャズ
    • フュージョン
    • ヒップホップ
      • バンドサウンドというイメージはないが音楽的に取り入れることが多いらしい
    • ポップス
      • もしかしたらこの呼び方は流行りの全体を呼称するものであって分類としては正しくないのかもしれない・・・
    • Jポップ
      • 一般的にバンドサウンドで想起されるイメージってやっぱりこれなのかなぁと
    • Kポップ
  • あてがわれるコンテンツによっても違うかも
    • どんな映像作品?どんなゲーム?
    • 劇伴?OP?ED?誰のキャラソン
  • そしてやっぱりトラックメイカーの性癖に依存するので,最後の最後には製作者の個性が出る

実際の様子


実際の様子

私のもので良いなら見せちゃって良いですか? まだ製作途中なんですけど・・・ (新歓コンピの後にこの資料のために音作りからやったんですけど,やっぱり完成には間に合わなかったんですよ・・・)

shinkan01.png

shinkan02.png

shinkan03.png

shinkan04.png


実際の様子

これです Kiseki ~staR gAzer~ってやつです

同じ曲を別のミックス・マスターでやった場合

  • 未完成
  • ポップスに分類されそう
  • SoundCloudです
  • ミックスとマスターがいかに自由度が高くてかつ難しいかを分かって欲しかった

用語集

これから出てくるDTMに関する言葉を簡単に説明するよ!

  • トラック
    • 1つの音声が流れていくよ
    • 最初は1トラックにつき1楽器が基本だよ
    • (Logicではチャンネルと呼ぶことが多い)
  • ミックス
    • トラックにエフェクトをかけたりトラックをまとめたりして聴き応えを作っていくよ
    • 最後は1つのトラックにまとめよう
    • (Logicではチャンネルのストリップにエフェクターを差し込んで次のチャンネルに流す)
  • マスター
    • トラック全体にかける最後の調整だよ
    • でもマスターだけじゃクオリティのアップには限界がある,ちゃんとミックスしよう
  • バウンス
    • マスターしたトラックを1つのファイルに書き出して完成させるよ
    • 音源で個別に書き出す方法もあったりする
  • ラウドネス
    • うるささ
    • ミックスでもマスターでも振幅とラウドネスをどう操作していくかが肝になるよ
    • lufsとかいう単位があるよ
      • 人間の聴覚特性に沿った補正を含めて数値計算で得られるラウドネスの単位だよ
      • 最大値は当然だけど0dB
      • 振幅の二乗≒音のエネルギーの時間平均
      • RMSとかいうのもあるけど基本的にはメーターでlufsと帯域バランスを確認しながら自分の耳でラウドネスを把握しよう
        • ちなみにRMSに帯域ごとの補正を施すとlufsになる
        • 計算はだるいのでメーター系プラグインに計算させよう
        • RMSには2種類あったりするのでlufsで考えた方が楽
  • ゲイン
    • 利得とかいう意味だよ
      • 電気回路でよく出てくる単語
    • 音のエネルギーを上げることをゲインを得るみたいに言うことがあるよ
      • と言ってもDAWはゲイン上げを模倣した数値計算をしているだけなんですけど
      • アナログエフェクターを使ったことがある人には馴染みがある単語じゃないかと
  • バーブ
    • 風呂場エフェクト
  • エコー
    • やまびこエフェクト
  • コンプレッサー
    • 音圧を上げるよ
    • マルチバンドコンプレッサーなんてのも
      • 帯域によって設定を変えたコンプをかけ分けそれを混ぜ合わせることができる,痒い所に手が届いちゃう系のクッソ優秀で重要なDTMerの命の恩人
  • イコライザー
    • 帯域ごとにゲインを調整するよ
    • カット,シェルフ,ブーストなるものがある
  • プラグイン
  • 音割れ
    • クリップノイズとも言うよ
    • 演出以外では基本的にやっちゃいけない
  • レベルオーバー
    • DAWの数値処理上の限界値を越えた音が流されるとこれが発生してしまうよ
    • 実装上の最大値が0dBでありそこを越えるとレベルオーバーの判定が下される
      • 東○大生ならdBの定義は大丈夫ですよね
      • つっても今時のDAW浮動小数点の64bitなのでトラック内でレベルオーバーした程度じゃ簡単には音割れしない
      • ただしそのままファイルにバウンスすると音割れする,振幅の最大値が0dBであるが故にそれ以上の領域を全て切り取る=クリップする必要があるため
        • そしてエフェクターによっては0dBを超えたら確実に音割れするものも
  • MIDI
    • DAW内部で用いられるデータや信号の規格のことだよ,現在はMIDI1.0
      • もうすぐMIDI2.0が出てくるらしい,一波乱ありそうな予感がする
    • 打ち込みはこのMIDIを用いて音源に信号を送ることに他ならない
    • 音源によってはある程度に規格を知っておかないと音源自体を使いこなせない
    • 詳しいことはまた別の機会に話せたら話します,ライブでの演奏やDAWの開発レベルの機能でMIDIを使わない限りはそれほど気にする必要性もないので・・・
  • 対位法
    • 自然にパートの音を重ねる音楽理論だよ
    • 歴史上おそらく最古の音楽理論では
    • 厳密にやるとクソ面倒なのでいっそ経験値とセンスでなんとかした方が良いと思う
  • コード
    • (プログラミング用語じゃ)ないです
    • ベース+ギター+キーボード+メロディー・・・みたいに音を重ねる時の音程を下から順に指定していくよ
      • しかし必ずしもその通りに揃えるべきだとは言い切ることはできない
        • バンドサウンドではむしろセンスを使って音を組み直す必要すらある
        • ちゃんと楽器の特性とコード進行を考慮して音を配置しよう
      • 指定パターンにはかなりの汎用性がある
        • その汎用性を根拠にコード記法なるものが存在している
        • コレを暗記しておくと作曲や編曲を行う時のインプットとアウトプットの生産性が爆上がり
    • 使い方
      • メロディーを思いつきます
      • それに合いそうなコードをピアノやアコギで探して弾いて採譜します
        • 絶対コード感ある人,いませんか?
      • その音配置をコード記法で記します
        • ここまでが作曲
      • その響きをそのまま維持しながらもバンドサウンドに起こしましょう
        • これが編曲
      • そしてコードは言語なので簡単に共有できます,どんどん晒しましょう
    • ある意味ではクラシック音楽の名残
      • コンサートサウンドを簡易化したものがバンドサウンドという側面があるので,バンドサウンドをやりたいならどうしてもコードは必須知識になるかと思います
  • コード進行
    • コードを繋げていくための音楽理論だよ
    • 実は使いやすい対位法をクッソ簡単にまとめたバンドルのセットとも言える
      • というか対位法をやるといつかここに行き着くので,むしろこれを逆算して対位法を体感してみるといい勉強になる
  • 調
    • 12音階とか7音階とかだよ
    • 相対音感絶対音感が両方あると楽しい
    • コード進行と密接な関係があるけど・・・
  • 転調
    • 曲の途中で調が変わることだよ
    • バンドサウンドにおいて無意味な多用はよくないかもしれないです(主観)
    • コード進行と同時にその原典である対位法がわからないと詰みがち
      • うまく転調できる奴はセンス満載の変態
  • 小節
    • リズム兼タイムの単位だよ
    • だいたいコードの区切りになるよ
      • むしろそれ以上の定義が思いつかない
    • リズムの単位だよ
      • 普通は4分の1で1拍だよね
    • 全分,2分の1,4分の1.12分の1,etc
  • 拍子
    • 1小節の拍構成だよ
      • みんなが最初にやるのは4/4だよ
    • 5/4,6/8,3/4,4/4,7/8,12/8,etc
    • 変拍子(混合拍子)なんてものもある
      • (2+3)/4,(3+4)/8,etc
  • 転拍子
    • 拍子が途中で切り替わるよ
  • BPM
    • 4分の1の1拍が1分間に何回くるかだよ
      • 音楽用語にありがちなフワフワしたモノじゃない明確な指示,しっかり守ろう
  • BPM
    • BPMが途中で切り替わるよ
    • 3連符を使って転拍子と一緒に突っ込んだり
      • 私も最初はハマってたけどなんか最近になってできなくなった・・・
  • 作曲
    • コード進行,BPM,拍,etcを定義してメインの旋律を付加して骨組みを作るお仕事
  • 編曲
    • それに楽器を合わせて立派にするお仕事
    • この後でミックスとマスターが待っている
  • はっきり言うとミックスとマスターはオーディオエンジニアリングとも呼ばれるクッソ面倒な上にエラく専門的な作業なので,理想としては作曲担当者・編曲担当者・ミックス担当者・マスター担当者で業務を分担するのがベスト
    • だってチームを組んでそれぞれがそれぞれの分野で急速に成長できた方が全体から見てもベターなのは当たり前じゃないですか
    • たぶん一度でも根詰めてミックスをやって市販曲に近づけようとしてみたら,プロのミックス師が世の中に存在している理由が痛いほどわかると思います(投げやり)
    • そしてそれを1人でこなそうとするDTMerは総じて異常者の集まり(褒め言葉)
      • ゲームをはじめとしたアプリケーションのBGM制作をすることがメインのtraPサウンド班(建前)としては作曲編曲に重点を置いています・・・という雰囲気なのかなぁと私は思っているんです・・・

ワークフロー

作曲,編曲,ミックス,マスター・・・ この4段階を周回し続けることでいつの日かきっと万能DTMerになれるだろう・・・ そう考えていた日が私にもありました いやー正直に言って辛いですコレ 精進するといえばこのワークフローを繰り返すことに他ならないんですけど,ひたすらに精神が削られる それでも自分で1からトラックを作りたくてたまらない人は・・・この先ずっと頑張ってください


ワークフロー

作曲

  • やること
    • 主なメロディーの作成
    • 追従するリズムの定義
    • BPM,拍子,調の定義
    • コード進行の定義
      • コード表記を使おう
      • 調も意識して採譜しよう
  • まずは自由奔放に想像しよう,想像しなければ作るモノも何もないし自己表現の欲望がなければフレーズも全くもって生まれない
  • そしてその中身を書き起こすことにはある程度の訓練が必要,作曲力とは正にコレこと
    • 絶対音感相対音感があるとやはりフレーズ書き出しの生産性が上がります
    • キーボードやギター等のコード奏法が行える楽器を手元に置いておくと最高です
      • 単音の聴き分け以上に耳の良さを要求される絶対コード感はあまりにハイレベルすぎてちょっと現実的じゃない
      • 絶対音感相対音感倍音感覚,この3つをマスターしない限りは楽器に頼ろう
  • 意欲や体力がなければこれより後の手順は踏まなくてもいいので,意地でも作曲し続けろ

ワークフロー

編曲

  • やること
    • 合奏に用いる楽器(音源)の選定,パート生成
    • パートごとの演奏内容を作成
      • 作曲時に定義したコード感を崩さない
      • 同時にコードに配置された音を組み換えて,それぞれの楽器やパートに適切なフレーズへと変換していく
      • 更にパートごとにそれぞれが占有する帯域についてもこの時点で意識していく
        • それだけでもミックスがだいぶ楽になるし,あり得ない演奏は打ち込み時にちゃんと避けること
    • 作曲時に定義した曲の構成を再確認して修正する,フレーズを修正する
      • 柔軟な修正が行えてこその編曲力,作曲時にあまりに単純な構成になってしまったとしてもまだ取り返せる段階
      • コード構成は特に悩みどころで,調と楽器の関係で旋律を変えたいような時はコードも修正していく必要がある
        • コード進行の答えは1つじゃないぞ
    • 演奏面でミックスまでに仕上げたいものはここで全部を仕上げておくこと
      • 特にアーティキュレーションの調整
      • 音源の設定もなるべく完全に済ませておく,ただしエフェクトでなんとかできることはミックスでやろう
  • どうしても楽器やその演奏に関する理解や造形が最も問われる場面ではある
  • 最後は音源の出力をオーディオファイルに書き出して保存しトラックに置いておく,これ以降はなるべく音源を動かさないようにする
    • 音源特にシンセサイザー系はエフェクトプラグインよりもCPUパワーを使いがちなので,ミックスにまで持ち込むとどうしてもDAWの動作を阻害する可能性がある
      • 代わりにメモリは食うかもしれない,要するにRAMはしっかり積むべき
      • 編曲もミックスもPCの性能がモノをいってしまうのは間違いないです
    • フレーズに非常に長い音が含まれている場合,音源をそのまま使うとその途中から再生した時に発音されない(MIDIのノートオン信号が出されない)ので,ミックスの確認をするためにわざわざ手前に戻って再生しなければならない手間が発生する
    • 慣れてくるとオーディオファイルのプレビューの波形で何が演奏されているかわかるので,わざわざMIDIリージョンを開くよりも確認の手間が省ける
    • オーディオファイルとして細かい編集が行えるので,移動や位相の反転や逆再生や部分的なコピペスクラップ等が可能になる
      • 逆再生ってやっぱりエモいと思います
      • 要するにボーカルの編集と同じ要領です
      • それも含めての編曲作業なのでオーディオファイルの扱いにも最低限慣れておきましょう,DAWによって仕様が違うのでLogic以外はよくわかりませんが・・・
    • お勧めするやり方としては,「音源トラック」「オーディオファイルトラック」の2つを用意して,それぞれを同一の「エフェクトトラック」に流し込むと良いです
      • 音源を再生しつつもエフェクトのかかり具合を随時にチェックできる
      • 設定をコピペしなくても済むしRAMもCPUも使用量を節約できる

ワークフロー

ミックス

  • やること
    • エフェクトをかける
    • ダイナミクスを揃える
    • ある程度のラウドネスはここで確保する
    • トラックを合流させて1つにまとめる
  • 最も難しいです
  • ノウハウがジャンルによって大きく異なってくる分野なので,その道のプロに教わることが最適解だと思いました・・・ごめんなさい
  • 一般的な最低限の手法だけでも書いておきます
    • バーブおよびエコーのセンドを用途ごとに切り分けてルーティングする
    • 楽器やパートの性質ごとにトラックを分離したり結合したりしながら各段階で適切なエフェクトをかける
    • イコライザーで支配帯域を制御する
      • MS処理が大活躍するよ
    • コンプレッサーでダイナミクス上での音の存在領域を設定する
      • マスターで行う処理も意識するとマスターの作業が楽になる,というよりここでしっかり調整しないとマスターをどれだけ頑張ってもどうしようもない
      • もし高いラウドネスを得たければここで限界まで調整しきっておくこと,ついでにイコライザーで余計な帯域も徹底的に排除しておくこと
      • コンプレッサーの設定がどのように影響を与えるかは試行錯誤で数値と感覚を結び付けて覚えるべし
    • ステレオ感の調整をする
      • かなり原理が難しい上に失敗したらダイナミクスのバランスを破壊するかもしれないので繊細にやりましょう
  • 理論も存在するのだろうけど最後は経験値

ワークフロー

マスター

  • やること
    • ミックス後のトラックに対して更なる統一感・空気感・ステレオ感を出してあげる
    • 帯域を微調整する
    • ダイナミクスラウドネスを調整する
      • 俗に言う音圧上げという行為に該当するが,ミックス済みのトラックによっては音圧に限界が存在する
      • とはいえど目標のlufsが-7程度であれば普通になんとかなるだろうし,それ以上の領域は最早ただの音圧戦争なのでこれはあまり考えなくて良いのでは・・・
        • -7でも媒体にアップロードすると制限を食らうので尚更
        • ラウド系のトラックの関係者の皆様には頭を下げねばならない
    • 他のトラックとの曲質の平均化を行う
      • コンピレーションだとミックス者が異なるトラックを相手にしなきゃいけない
      • 故にこれも経験がモノを言います

パート

これはフルバージョンの完成に至るまでの間でまだこれから増えていく予定なんですが,採用したパートのそれぞれの音作りと演奏についてちょっとずつ話していきます・・・


パート

ドラム1つ

  • バンドサウンド要石
  • 故にわたくしはミックス時のラウドネスの基準単位としても扱っているのですが・・・
    • ドラムが聴こえないと何も良くないので
    • これを言うと叱られが発生しそうなんですけど,ラウドネスを相対的に自由自在に調整できるほど私は器用ではないので・・・
  • パーカッションもまとめてブチ込んでいる
    • ドラムシンセという扱いなので生音の素材にFM変調をかけたりリバースシンバルをシンセで作成したりできるよ
    • でももっと使いやすくてシンセが多彩な音源を使った方がいいと思いました
      • 最低でもマルチ出力が使えると便利
  • 素材が生音である故に各楽器ごとにエフェクトのかけ分けが超重要,トラックが11個はある
    • つってもバスドラとスネアとハットとシンバルの4つさえ抑えられればそれで良い
    • ここでリバーブをある程度にキメておくと叩いてる感が得られる・・・けどメタルじゃないしそこまで厳密にするよりもそもそもの生音感を残した方がいいかも
    • バスドラ単体⇒叩き系全体⇒ドラム全体マルチバンド⇒ドラム全体,みたいな感じで3段階のミックスを行いながら4つのコンプを使い分けているタイプ
      • マルチバンドコンプの使い方は知っていても全く損ではないと思います
  • やっぱりドラムで結構なラウドネスを確保しておかないとトラック全体でそれ以上の音圧は得られないので,作曲をしつつも速攻で聴き応えを得たいなら真っ先にミックスの練習をしよう
    • ぶっちゃけそれをせずにほぼ1年を無に帰したことを後悔しているので・・・
    • 楽譜的な側面はひたすら実際の曲を聴いてコピーするなりでいくらでも学べる,しかしミックスはプラグイン慣れも含めて時間がかかる上にトラックの完成度に直結するからマジで真っ先にやって欲しい

drum1.png drum2.png


パート

アコースティックギター1つ

  • ポップスのバンドサウンドにおいてはほぼ必須
    • というか曲を作る上ではコード進行を定義しておくべきなので,その時に使おう
  • シミュレーター系の音源であるSculptureで仮想のアコギの弦を生成してMIDIを読ませて再生そして録音したものを色々と加工している
    • 最高品質で処理をやるとやたらにプロセッサを食いまくるので,丁寧にこまめに音声ファイルに出力してからミックスをしよう
    • 8000Hzあたりで倍音を付加しアコギ特有のアタック時の弦のカット音をうまくコンプさせてバスドラに負けないようにしよう,変な話もう音程は聴こえなくてもいい
  • 手の動きを再現するためにMIDIのタイミングを手動でずらしたりミュートかけたりする
  • ついでなのでアコギソロみたいな感じにも対応できるようにスラップ演奏も実装してみた
    • 副次的に普段の音色の幅も大きく広がった
    • わたくし恐らくSculptureを世界一使いこなしているのでは???

acogui1.png acogui2.png


パート

リズムギター1つ

  • ポップスにおいてはコード進行を強調しつつ帯域埋めをしてくれる締めの万能パート
    • ラウドロックとかになると話が変わってくるんだけど・・・今回は割愛するぜ
  • 同じくSculptureで弦の音を再現し本体アンプ・エフェクター・アンプを再現する
  • こちらはミュートに加えピックハーモニクスハーモニクスも再現する
    • プゥオ〜〜〜って倍音を伸ばす奴です
  • エレキはだいたいの設定を共通させているので,以降はそこのスクショは割愛します

elegui1.png elegui2.png


パート

カッティングギター1つ

  • 小気味良く刻むだけのギターなんですけど,まだ未実装です・・・
  • 完成版には入る予定です,入る余地があればの話ですが・・・・

パート

メロディギター1つ

  • バイオリンに合いの手を入れるだけのエレキ
  • エレキは用途ごとにアンプ等の設定を分けろ

パート

リードギター1つ

  • これも完成版で登場する予定
  • バイオリンとタメ張れるくらいには鮮やかにしたい,リードはエレキの真骨頂パート
    • 要するにエレキソロが好きなだけです

パート

エレキベース1つ

  • バンドサウンド要石(2回目)
  • その癖してミックスの最後の段階までエフェクト設定を迷わせてくる相当な曲者で厄介者
    • バスドラとピアノに挟まれそれぞれを妨害しないまま自身の存在感を出しつつラウドネスを確保できるようなマスターのイコライザー設定をくぐり抜けることが必要です
  • そして人によっては最も演奏技術が見られる
    • その奏法の多様さ故に倍音の出方も多様となりアンプを通すとまるで響きが違うのでそれを意識して編曲する必要がある
    • Sculptureで指スラップと指ミュートを駆使することで響きの違いを実現した

bass01.png bass02.png


パート

バイオリン2つ

  • 間奏の主旋律担当
  • オクターブユニゾン,和音ユニゾンに加え,部分的にカノンを仕込んだり,リズムと音程の関係には色々と練り込んだ対位法をブチ込んだ
    • 多分あんまり聞こえないけど・・・
  • 確かに音源の良さに救われている節がある

violin.png


パート

ブラス2つ

  • これも追加予定
  • ブラスと言うよりかはトランペット
  • 無駄に旋律をやらせるとうるさくなるだけ
    • 故にコードに則った合いの手を打たせたい

パート

ピアノ1つ

  • 練習に練習を重ねればギリギリ生で弾けるかな〜・・・という感じ
    • 音は思いつくんだけどね・・・
  • 実はミックスが1番難しい楽器だと思いますよ
    • だいたいエレキベースのせいなんですけど
    • イコライザ設定とリバーブ設定もキツい
    • ソロなら低音域もあるとありがたいんだけどさ,バンドとなると邪魔でしょうがないんだよな,倍音だけいいとこ取りするべし

piano.png


パート

ボーカルライン

  • リードシンセで代用しているけど歌いたい
    • 語彙力が雑魚なので無理かも
    • これマジ?音域が高すぎるだろ・・・
      • C♯~hiEは気合入ってる
    • このコロナのご時世なので録音ができるスタジオなんてないんだよなぁ・・・
  • メインのメロディなのでそこそこコンプレッサーリバーブを効かせてあげよう
    • 実は最初に書き終わったパートがこれ

パート

ベルシンセ1つ

  • 純粋に使いたいけど使いどころを探している
  • なんかエモそうなので効果音も一緒に流したい

ミックス

ドラム

  • バスドラをひたすら強くする
    • 音作りで諦めたら試合終了ポイント第1位
    • 地味に2000Hzで倍音を付加している
  • スネアは響かせる
  • シンバル系は意外と高音域をカットした方が良い,音圧をあげようとするとどうしても目立ってくるので音圧が欲しければ適切な制御が必要
  • よく響く手拍子とか足踏みとかあると楽しい
    • エコーが1番に効果を出してくれるかも
  • コンプはアタックタイムによっては低レベルを拾ってあげないとバスドラが響かないかも
  • 生音であるからこそミックスの段階を分けて各楽器の特性によってコンプやリバーブをかけわけないと聴覚上のダイナミクスが悲惨なことになります(体験談),一度は自分でドラムのミックスを徹底的にやって欲しいです

ミックス

ベース

  • 基音も大事だけどある程度に倍音を聴かせないと奏法を意識したことが伝わらない
  • 正直ピアノは潰して良いけどバスドラは死守
    • 特にコンプの深さの調節が重要です
    • イメージで言えば半ばで鋭く

ミックス

伴奏系エレキ

  • 思い切って低音域をカットする
    • ラウドロックみたいな極端なジャンルでは低音域があった方が良いけど,ポップスはあくまで帯域をカバーするだけ,ベースとピアノを優先して聴かせてあげよう
    • だいたいソロ演奏じゃないんだし・・・
  • コンプは半ばで緩く,ただしトラック音量自体は全体の様子を見ながらちゃんと確保しよう

ミックス

旋律系エレキ

  • バーブをしっかり確保しよう
  • コンプは浅めで鋭く,心に届くような感じで

ミックス

アコギ

  • 弦自体の音程のある音色も良いけどカット音の方が大事なので高音域を最重要視しよう
    • 倍音付加の量が多すぎたり付加開始の帯域が低すぎたりすると音が割れたり生音感が消えるのでそれだけは避けておこう
  • 生のアコギ特有の本体が持つエコー感をしっかり音作りに加えるべし,例え録音であっても何度も聴き返して調整することを推奨する
  • コンプはやっぱり2段階はかけよう,1段階目は浅めで鋭く2段階目は半ばで鋭く
    • 現物の録音でも1段階目のコンプで音色を強調することで以降のミックスがかなりやりやすくなると思います,ボーカルと同じ

ミックス

ピアノ

  • バーブは音源と相談してください・・・
    • 環境効果も含め録音されているような良い音源だと余計なことはしない方が良いかも
    • これはドラムでも同じことが言える,サンプラーは素材をある程度には理解するべき
  • コンプは半ばで緩く,実はただ弾くだけでも結構な音圧が得られてしまうので注意
    • 演奏上の問題として音数の多さ故に解析系のリミッタープラグインが処理しきれずに普通に音割れすることが多いのでコンプのレベルオーバーには最新の注意を払おう
    • アコギ程度のサウンドと同居させるためにはアコギのミックスをかなり頑張って意地でもダイナミクスの差を埋めるしかない

ミックス

ボーカル

  • 以下の条件に気をつける
    • いいマイクを使う
      • マイクの特性が思ったより重要になる
    • 音程に気を付ける
    • 子音の認識を良くさせる
    • かつ無駄な子音は減らす
      • 発声学的に言えば接近音,摩擦音,破裂音,が該当するらしい
      • その歯擦音がコンプレッサーの大敵,専用のエフェクターがあるレベル
    • 声の倍音を響かせる
    • ダイナミクスの差を自然な範疇に収める
      • 発声はじめと発声おわりに要注意
  • あとは他の楽器と同じようにミックス
    • バーブはかけ具合を逐次に調整しよう
    • コンプレッサーはわずかな数値差が大きな影響になり変わるので頑張ってください

マスター

リニアEQ

  • 普通のEQは位相がズレる
    • 位相がズレると音が悪くなる(場合がある)
  • リニアEQは位相が(理論上)ズレない
  • 利点
    • マスターには必携
      • これを使わないとリミッターの解析がバグる上に音がゴチャゴチャになる
      • ドストレートに空気感を維持できる
    • ドラムやボーカルへの処理にも最適
      • コレを使うだけでも綺麗なミックスができるので簡単にダイナミクスが稼げる
      • ボーカルではアタック時の子音の発音が綺麗に維持できる,ここで位相がズレると滑舌が悪く聞こえる時がある
      • 生のドラムでは1つの楽器を2つのマイクで録音する機会がある,その時は2つのマイクに入ってくる音の位相をちゃんと合わせてあげないと音がお互いに打ち消して急激に雑魚になってしまうので,位相がずれないリニアEQは必携
        • 例えばバスドラやスネアとか
  • 欠点
    • 過激なEQにすると波形が前に滲み出す
      • 音像が悪くなる,アタックが歪む,etc
      • プリリンギングと呼ばれる現象
    • 計算量が常に最大なのでCPUパワーを食う
    • そして一般的なアナログ(現実)のイコライザーにはまずリニアEQのような特性はない
      • つまり使う機会によっては暖かさがないという違和感が生まれる場合がある
      • アナログ回路に触れた人なら位相特性とかがわかるかもしれない・・・
    • 弦を使う楽器は普通のEQの方がなぜかミックスが上手くいくように感じられる
      • エレキやベースはその傾向が顕著に出る

マスター

MS処理

  • DAWの内部で流れる音声はMono(モノラル)かLR(左右)のステレオだが,そのLRステレオからMS(Mid・中,Sid・側)の音声が求められる
    • MS録音なるものが実際に用いられている
    • 島村楽器説明してくれているよ
  • それを使うとステレオ要素の調整が簡単に行えるので一歩先のミックスとマスターが行える
    • ただ初心者に最初からこれを使いこなしてベストなパフォーマンスを探せとは口が裂けても言えない,一通りのトラックメイクに慣れたら次に手を出すべきである更なる武器みたいに考えてください
    • はっきり言って私も使いこなせていない,まずは耳を鍛えないと何もわからないです
  • 最近のイコライザー等のプラグインはMS処理をオプションでやってくれるものが大半である
    • そもそもステレオ感や空気感を増す系統のプラグインはMS処理にリバーブを組み合わせることで実現しているので案外に手動でもできなくはない
    • Logic付随プラグインは全て対応しています
  • 利点
    • ステレオ感が簡単に広げられる
    • 実はバスドラとベースを同居させるために取るべき最終手段の一つではある
      • 面倒じゃなければミックスの段階でちゃんと調整しておくと後からすごく楽
  • 欠点
    • やりすぎるとクッソ不自然になる
      • コンプやリバーブを分けてかけるとあっという間に音が壊れるのでやめようね
      • むしろそれを活用している人を探しています,見つけたら教えてください
    • LRとMSを取り違える時がある
    • モノラル出力される音源はなんとかしてステレオにしないとMS処理をしても無意味(S要素が常に0,そして0に何をかけても0)
      • 例えば1本マイクによるボーカルは当然だけどモノラル出力なので,それをステレオ化できるプラグインを何か使ってからMS処理を行いましょう
  • モノラル音源のステレオ化はまた今度にします

マスター

マルチバンドコンプレッサー

  • 帯域ごとに数値設定を変えたコンプレッサーを適用しそれを混ぜられる
    • ちなみにLogicのMultiPressorは完全なリニアEQを使って6dB/octで混ざっているらしい
    • そしてこれは最大4バンドなんだけど世の中には5バンドだったり6バンドだったりするものもあるらしい,しかしAUプラグインにはなさげなのでAppleによるMultiPressorの最大6バンド化が非常に望ましいですね
  • 使い道はマスターかドラムの最終調整ミックス
  • 利点
    • シンバルとバスドラの同居を可能にする
      • そもそもの私の努力不足かもしれないんですけどシングルコンプを諦めてこれ使ったらすっげぇ綺麗にダイナミクスが持ち上げられて非常に感動したのでDTMerの必修プラグインにすべきだと思う
    • ベースの圧を残しつつボーカルを響かせられるので聞き応えがより良くなる
    • 端的に言うと帯域ごとにダイナミクス変化の方法を定義してそれらを滑らかに結合させられるので,そもそもの帯域ごとに音が持つ純粋な特性や楽器がそれぞれ持つ特性を考慮しながらも一緒くたに混ぜられる正にチートアイテムである
      • 故にドラムの最終調整ミックスとマスターでとんでもなく効いてくれる特効薬
  • 欠点
    • 設定するパラメータがクソ多い
    • 純粋に扱いが難しいクソ
      • MultiPressorはコンプレッサーに限らずエキスパンダーの効果もかけられる上にプラグインが行う解析そのものの設定も変えらてしまう,最適解を探るのにはクソ時間がかかるのでこればかりはかなりの根気が必要だと思います
    • 単独の楽器に対して使うと思わぬ結果に
      • 特定の効果音を消したい時とかにも使えるらしいけど難しそうなので非推奨
        • もしかしたらLogicのDeEsserを転用した方がよほどに楽なのでは・・・

マスター

方針(と言うより理想)

  • まず最初は上手くミックスをする
  • 音圧を確保しつつも各トラックのダイナミクス変化を活かして曲内で躍動感を生む
    • 音を損なわないような爽やかバンドサウンドだとlufsは-7dBが限界になってくる
      • ラウドロックだとlufs-2.5dBとかなるけど・・・挑戦したい人は頑張ってどうぞ
    • 目安としてはlufs-9dB~-7dBが妥当
      • なるべく余裕を持ってトラックを作ろう
      • ミックス時にダイナミクスをちゃんと確保してあるとlufs-7dBはあっという間に突破するので自制しよう
  • ドラムのあらゆる音を聴き手に認知させる
    • マルチバンドコンプの活躍ポイント
  • バーブ感をうまく使い分ける
    • バーブ要素にもちゃんとイコライザーを仕掛けてどの音がよく響いて欲しいかチェックしながらマスターをしていこうな

(悲しすぎる)現実

  • やっぱりベースが強すぎてピアノとバスドラを完全に○してるじゃんコレ・・・
  • バーブがうるさすぎるのかコンプの反応範囲が深すぎるのかわからない・・・
  • バスドラをドゥンドゥンさせたりベースをヴンヴンさせたりそういう音がどうしても欲しいけど単純にうるさくなったりハットが打ち負けたりリバーブ感を損なってしまうのでジャンル的に諦めるしかないのかっ・・・
  • ミックスなんもわからん・・・マスターじゃどうしようもないだろこれ・・・
  • ドラム聞こえねぇwwwww至急助けてくれや
  • 市販曲でも文句つけたい時だってあるしいっそ立場をわきまえてこれ以上の探索は諦めよう
    • プロはプロ,自分どんなプロの調子悪い時よりも常に下手である自信があります
    • もし上手いと思ったり好きだと思ったりしたミックスとマスターがされているトラックに出会ったらそれを何度も聴きましょう,聴くだけでもかなり上達します
      • そういうお手本の作品のことをリファレンストラックって言ったりするらしい
      • どういう操作をしたらそんなに良くなるのか頑張って想像しましょう・・・
      • 特にダイナミクスの移り変わり帯域の移り変わりの関係性に注意を向けてみましょう,トラックの雰囲気の下手したら4割はそこに鍵があったりします

master.png


マスター

目安の取り方

  • メーターを使おう
    • 帯域ごとの強さ,ダイナミクス,ステレオレベル,コリレーション・・・色々な情報をフィードバックして次に生かそう
    • 耳の性能や再生環境に関わらず常に数値で観測してくれるメーターは一生の相棒です
  • 他人に聴いてもらおう
    • 自分の性癖や趣向が一般的とは限らないぞ
    • 大衆受けはやっぱり重要だと思います

実機で試験しよう

  • デスクトップPCのスピーカーは?
  • ノートPCのスピーカーは?
  • スマホのスピーカーは?
  • イヤフォンは?
  • 普通のヘッドフォンは?
  • 重低音ブーストなヘッドフォンは?
  • スピーカーは?
    • これ以上はオーディオのオタクに任せるぜ
  • mp3とwavで違いはあるか?
  • アップロード先の媒体で違いはあるか?
    • これが割と重要で,例えば音声ファイルを確実そのまま配信して聴いてもらうのと何らかのサービスに投稿して聴いてもらうのであまりに違いがあったり,wavを聴くと良かったのにmp3にした瞬間にダメダメになったりするのはかなり望ましくない状況ではあるので速攻で解決が必要
    • だからちゃんとエンコーディング用のソフトも持っていることが望ましい,DAWに付随するmp3変換機能がベストとは限らない

音楽論

コード

1行1小節 ()内は調(目安) コード後の()内は基音表示(推奨)

Kiseki ~staR gAzer~

前奏

(F♯major) ‪C♯sus4add2(D♯)‬、D6♭5 C♯7sus4、C♯

BM7 C#6 A♯m7 D♯m7、C♯

G♯m7(D♯) G♯7(D♯) C♯7sus4 C♯ G♯m7 C♯

間奏

(D♯minor) D♯m(A♯) BM7、F♯(A♯) G♯m A♯m7、C#(G♯)

D♯m(A♯) BM7、F♯(A♯) G♯m7、G♯7 C♯sus4(G♯)、C#(G♯)

Aメロ

(F♯major) F♯(A♯) C#(G♯) D♯m(A♯) A♯m

B F♯(A♯) G♯m7、G♯7 C♯sus4(F♯)、C#(E♯=F)

F♯(A♯) A♯m7 D♯m(A♯)、BmM7 C♯sus4(F♯)、F♯

B F♯(A♯) G♯m7、G♯m7♭5 C#dim7(B♭)、C7(G)

Bメロ

(G♯minor) C♯m7 D♯(A♯) G♯m7(D♯) B、D♯m(A♯)

(D♯minor) A♯ C♯(G♯) A♯m7 D♯m7(A♯)、F♯(A♯)

Cメロ

BM7 C♯(G♯) A♯7 D♯7sus4(A♯)、D♯

(C♯major) BM7 BaugM7 G♯sus4(C♯) C# (Amajor) D(A) E(B)

間奏

(F♯minor) F♯m E D♭5、D Esus4、E

サビ

(Amaj) A(C#) C♯m7、C♯M7 F♯m7(E) G♯m7(D♯)、F♯madd2 g Bm7 A G♯m7♭5(B)、Adim7(C) Esus4(B)、E(B0)

A(C#) C♯m7、C♯M7 F♯m7(E) G♯m7(D♯)、F♯madd2

Bm7 A G♯dim7(B)、Adim7(C) Esus4(B)、E(B)

A(C♯) DM7 C♯m7(E)、C#7(E) C#7sus4、C#sus4add6

DM7 E(B) Asus4(D) A(C♯) (F♯major) C♯

composed by: Soluna Eureka


音楽論

調(登場順)

  • F♯maj,前奏
    • 暗さが含まれた明るさって感じがあって良いし私はとても好きです
      • 特にエレキの悲壮感がよく出てくれる
    • バイオリンの出だしのフレーズから決まりきっていたのでほぼ確定事項だった
  • D♯min,間奏
    • 落ち着いてマイナーにしておこうと思った
    • リズムエレキをバシッと決めたかった
  • F♯maj,Aメロ
    • テンプレ進行ながら少しテンポを変え最後は半音ずつ下方向に展開していきながら空気をガラッと変えていく
      • 故にこの終わりが最高の対位法の魅せ場
      • アコギのサウンドで聴くとカッコいいよ
  • G♯min,Bメロ
    • 確かに直前のD♯mをD♯にして和声的短音階の感じを召喚するとこの調は真っ直ぐに導かれるけど実際の入り方は少し違っていて,Gの音を残しつつEの音を加えている
    • コードを探っていた時になぜかディ○ニー楽曲の雰囲気を感じたけど気のせいだった
  • D♯min,Bメロ
    • 元に戻してBメロの悲しみ感をそのままに解決に導いて次のステップへ導くイメージ
  • D♯min,Cメロ
    • 少し明るげに揺り戻しておいてさらにD♯でちょっとしたポップス感を出した
      • このまま暗いままだと雰囲気的に上手くサビに繋がらないと思ったので
  • C♯maj,Cメロ
    • なんでこんなやり方を思いついたのか自分でもわからないけどaug進行は割とあるんじゃないかという感じはある
    • (実はここの繋ぎで悪戦苦闘していて,メロディだけは強く想像していたのにコードがが全くもって想定できていなかった,ピアノと20分向き合ったらなぜか導出できた)
  • Amaj,Cメロ
    • C♯からそのまんまDそしてEへと進んだだけ
      • (実は何とかしてAmajまで持っていきたかっただけという節もある)
  • F♯min,間奏
    • 間奏だもんマイナーに落ち着いていこう
  • Amaj,サビ
    • 実はコード進行を先に思いついていた
      • そこにメロディーを合わせたときはかなり試行錯誤があったけどまとまった
      • 地味にCメロのセルフパロディを決めて曲としての主張を強めている
    • dim7,m♭5,add2,sus4add6,7sus4,このどれもが欠けたら成立しない自信がある
      • そのせいでベースやエレキやバイオリンが辿るラインの策定がクッソ難航した
    • 最後はテンプレ進行で明るく終わるけど,前述の辿ってきたコードのせいでどこか胸に物悲しさが残ってくれてると,私の狙い通りの効果が出ているんじゃないかなぁ

音楽論

ドラム

  • ストップ・アンド・ゴーを意識した
  • 割とコードの雰囲気に合わせてみた
    • 打ち方が頻繁に変わるのはそのせい
    • 打ち方の豊富さはコードの豊富さ

アコギ

  • とりあえず独奏でも違和感のないよう実機の音高を意識しつつ響きを考慮しながらコードを展開してタイミング調整を重ねてみた

ピアノ

  • 経験値でゴリ押した
    • フレーズには凝ったので聴き分けて欲しい
  • その上で定義したコードにかなり頼った
    • と言うより左手はかなりテンプレな奏法に頼っている節があるが右手とのやり取りも意識して響きを阻害しないよう工夫した

ベース

  • アコギやピアノと噛み合わせた
    • つまり単独だと雑魚
  • スイープでスラップな感じを入れてみた
    • かなりやんちゃになった自覚はあるがアコギもエレキもピアノもあるしノリが出せれば大丈夫だろうという判断を出した

伴奏エレキ

  • コードを超絶に単純化して重要なポイントだけを抜き取り簡単な和音を再構成して響かせた
  • そこそこカットを入れてなるべくリズム感を損なわないようにはした・・・はず

旋律エレキ

  • なんかカッコ良く聞こえる感じにした
  • 登場時間は短いけど最後のハーモニクスを印象に刻みつけられれば何でも良かった

バイオリンライン

  • 対位法と勘の合わせ技をキメた
  • 実はどちらが上でどちらが下という厳密な決め方はしていない,完全に勘を解放した
  • オクターブユニゾン,ハモリユニゾン,カノン,リズム交換,音高交換,謎の独自の対位法(リズムとメロディに関係性を見出して音をぶつけ合う),色々と詰め込んでみた
    • ところで特定の楽器だけの音源って需要ありますか?あったらバウンスして上げます

メインメロディ

  • ぶっちゃけよくわからないまま埋まった
  • ぶっちゃけアイ○スだのデ○ズニーだのC○arisだのnano○IPEだのと言われたふええ・・・

音楽論

歌詞

いや〜キツいっす・・・ 成長と共に語彙力を喪失した人間なので・・・

今後の展開

とりあえずこの後の間奏を作って良いっすか? ついでにブラスも入れたいですね あと2番の構成はすでに頭の中にあるんですけど作業が中々に面倒を極めていて辛いです (これでもかなりスムーズにできているはずなんですが,この記事のためにもコード進行には過去最強に拘ったので,採譜自体にかなり時間がかってしまった上に,ドラムとエレキの音作りも限りなく生音に近づけるべく一からやり直してきたので)


感想

いかがでしたでしょうか? みなさんも全部1人でできるもんなバンドサウンド系DTMerを目指して頑張っていきましょう!